第十話:巨デブ、YouTuberデビュー大失敗!
登場人物
•夏目 圭介:巨デブ専門の飼育員(26歳)
•大井川 狸吉:同僚の飼育員(30歳)
•神田 ヘキサ:ペットショップの店長(40歳)
•巨デブ:人語を解する珍獣
ペットショップ 裏の飼育スペース
(ある日、ペットショップにいつものように巨デブ目当ての子供たちが集まっている中、狸吉が妙にテンション高くやってくる)
大井川 狸吉 「なぁ、夏目! 店長! 俺、すげぇアイデア思いついたぞ!」
夏目 圭介 「…お前がアイデアとか言い出すとロクなことにならねぇんだよな」
神田 ヘキサ 「何か企んでる顔だな。さっさと言え」
大井川 狸吉 「巨デブをアニマルYouTuberにしようぜ! 今、癒し系の動物動画がバズってるし、巨デブのもちもちとキラキラきんたまなら絶対稼げるって!」
(巨デブ、ケージの中で話を聞いて目をキラキラさせる)
巨デブ 「ぶひぃ?ぼくぅ…ゆーちゅーばぁになるのぉ?」
夏目 圭介 「…いや、待て。お前、撮影とか編集とかできるのかよ?」
大井川 狸吉 「簡単だよ! スマホで撮って、巨デブにダンスでもさせりゃいいだろ。ほら、もちもち揺らしてさ、きんたまキラキラさせりゃバズるって!」
神田 ヘキサ 「…まぁ、確かに集客増えてるし、収益上がるなら悪くねぇか。やらせてみろ」
(夏目、渋々ながら同意。こうして巨デブのYouTuberデビュー大作戦が始まる)
———
(裏の飼育スペースに簡易撮影セットが組まれ、狸吉がスマホを構える)
大井川 狸吉 「よし、巨デブ! 音楽流すから、もちもちダンス踊れよ!」
(軽快なポップミュージックが流れ、巨デブがノリノリで動き出す)
巨デブ 「ぶひぃぃぃ!だんすぅ♡ だんすぅ♡」
(巨デブ、贅肉をぷるぷる揺らしながら短い手足を振る。きんたまが左右にユラユラ揺れて、太陽光に反射してキラキラ輝く)
夏目 圭介 「…何だこの動き。変な盆踊りみたいだな」
大井川 狸吉 「いや、これがいいんだよ! ほら、見てみろ、このきんたまの揺れ! 癒し効果抜群だろ!」
巨デブ 「ぶひぃ♡ みてぇ… ぼくのぉ…むにむにぃ♡ すごいでしょぉ♡」
(撮影が進む中、子供たちが店の前を通りかかり、窓越しに巨デブのダンスを見て大興奮)
子供A 「わぁ! 巨デブくん、踊ってる!」
子供B 「きんたま、キラキラしてる! かっこいい!」
(狸吉、調子に乗ってさらに派手なダンスを指示)
大井川 狸吉 「よし、巨デブ! 今度は腰振って、きんたまもっと揺らせ!」
巨デブ 「ぶひぃ♡ わかったぁ♡」
(巨デブ、腰をクネクネさせて贅肉を波打たせ、きんたまが激しくユラユラ。まるでミニディスコボール状態に)
夏目 圭介 「…おい、これ大丈夫なのか? 何かヤバい予感しかしねぇぞ」
神田 ヘキサ 「まぁ、子供ウケいいならいいだろ。さっさとアップしろ」
———
(その日の夜、狸吉が編集した動画を「巨デブちゃんねる」にアップ。タイトルは「もちもち巨デブのキラキラダンス☆」。公開後、数時間で驚異の再生回数を記録)
大井川 狸吉 「やったぜ! もう1万再生超えた! コメントも『可愛い!』『癒される!』って大絶賛だ!」
夏目 圭介 「…マジかよ。こんなバカバカしい動画が当たるなんてな」
巨デブ 「ぶひぃ♡ ぼくぅ… ゆーちゅーばぁ…!すごいよぉ♡」
(しかし、次の朝——)
大井川 狸吉 「…おい、夏目。動画が…消えてる」
夏目 圭介 「はぁ? 何だって?」
(スマホを見ると、「この動画はコミュニティガイドラインに違反したため削除されました」と表示されている)
神田 ヘキサ 「…何!? BANされたのか!?」
大井川 狸吉 「うそだろ…コメント見ると、『きんたま揺れすぎてアウト』とか『過激すぎて草』とか書いてある…」
夏目 圭介 「だろーが! あんな腰振りとキラキラきんたまがコンプラ通るわけねぇだろ!」
(巨デブ、状況を理解して目を潤ませる)
巨デブ 「ぶひぃ…? ぼくのだんすぅ…だめだったのぉ…?」
大井川 狸吉 「いや、巨デブ、お前は悪くねぇよ! YouTubeのルールが厳しすぎるだけだ!」
(しかし、巨デブの目から大粒の涙がポロポロ)
巨デブ 「ぶひぃぃぃ…ぼくぅ…ゆーちゅーばぁ…なりたかったのにぃ…だめなのぉ…?」
(巨デブ、号泣しながらケージにしがみつき、贅肉をブルブル震わせる)
巨デブ 「ぶひぃぃぃ! ごめんなさいぃ! ぼくのぉ! きんたまぁ! ゆらしすぎたぁぁ! ぶひぃぃぃ!」
夏目 圭介 「…お前が謝ることじゃねぇよ。狸吉が悪いんだからな」
大井川 狸吉 「俺!? お前だって撮影見てたろ!」
神田 ヘキサ 「お前ら全員だよ。こんな企画通す俺も大概だが…ったく、泣くな巨デブ」
(巨デブ、店員たちに慰められながらも泣き止まず、店の外まで「ぶひぃぃ!」と響き渡る)
子供A 「ねえ、巨デブくん泣いてるよ…?」
子供B 「かわいそう…ダンスまた見たいのに…」
(結局、YouTuberデビューは大失敗に終わるが、子供たちの声援に励まされた巨デブは、次の日には「ぶひぃ♡ またがんばるよぉ♡」と復活。店員たちは「次はコンプラ対策必須だな」と苦笑いしながら、ペットショップの日常が再びゆるく続くのであった——)