結末
ほぼ全ての行動に意味がある。
怨念の渦巻く死人の國。その中心にそびえ立つ禍禍しいオーラを纏った城。
この世界の人々が“魔王”と呼ぶ存在の城である。
その一室にて対峙する者たちがいた。
片方は城の持ち主である魔王ヴェンデッダ、もう片方は人々に“勇者”と呼ばれるブレイブと、その相棒コープスだった。
「追い詰めたぞ、魔王!」
ブレイブは、両手で持つのが正しいであろう巨大な剣を片手で持ち、魔王に向ける。
コープスは、なんの反応も示さない。それは、自分の相棒がどれだけ強いのか誰よりも知っているからであろう。
「愚か者が」
城と同じ邪悪な気配を持つ声が、大気を震わせブレイブに突き刺さる。
数秒、(実際は一瞬のことであるのだろうが)対峙する二人の動きが止まる。
何を合図にしたか、同時に動きだし世界が滅びる程のエネルギーを一つの生命体へとぶつけ合う。
その余波を遠目に見るだけでも、この二人が世界最強であることが見て取れる。
それを至近距離で受けても無表情を保つことから、コープスもその強さが異常だということがわかる。
二人闘いは1/10秒単位で激化していく。
もはや何を心に闘っているのかも忘れ、尊敬の意さえも覚え対話する。
《断罪の刃》
ブレイブは、戦友に、親の仇へと自身の最大最強の攻撃を放つ。
《暗黒の鉤爪》
魔王ヴェンデッダもそれに応たが、何故であらうか。ブレイブを哀れんだ。
結果は相打ち。二人とも息はあるが、もう闘うことはできないだろう。
ブレイブは満足であった。目の前に倒れる親の仇を前にしても。
静かに佇み、見守ってくれていた相棒へ「もう帰ろう。」と声をかけようと顔をあげる。
そして絶句した。
そこに立つのは、相棒。いや、相棒であったものだった。
いつもとはまるで違う邪悪を軽く通り越すような笑みを浮かべ、懐に隠していたナイフを二本突き刺した。
ブレイブと、魔王に。
魔王は消滅した。
ブレイブは流石勇者と言うべきか、かろうじて抵抗する。
「何故?なんで、?あ”あ”ぁ”」
ブレイブが絶望の声を上げる。
しかしその抵抗もむなしく、ゆっくり、ゆっくりと深淵の闇へと堕ちていった。
彼の最期の記憶は、ゆっくりと玉座に向かい歩き出したかつての相棒の姿だった。
嗚呼、終焉の結末だ。
次回の作品で視点が代わる。
感想ください。




