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第6話

   

「雪に関連する伝説や逸話として、かつては雪女や雪男といった空想の怪物が……」

 私が回想を切り上げて、意識を教室に戻すと、まだ雪についての話が続いていた。

 雪女や雪男だなんて、少し雑談気味にも聞こえるけれど、これが本来の授業内容なのだろう。

 教師といっても、しょせん人間ではなくアンドロイド。プログラム通りに授業を行うだけなのだから。


 なんだか少し馬鹿らしくなって、教室の窓に視線を向ける。

 外に広がっているのは、いかにも暑そうな青空だ。既に一週間以上、かんかん照りが続いていた。

「もう十二月なのにね……」

 嘆息のような独り言が、私の口から漏れる。


 温暖化現象が加速した結果、二十九世紀の地球では、全く雪が降らなくなっていた。

 バーチャル・リアリティや記録映像でなく、本物の雪を見たことがある人間は、世界で私一人だけらしい。




(「雪の日にもっと冷たい機械の中へ」完)

   

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