3 (アレクサンダー視点)
僕は、この国の王太子。
僕は今8歳。もう少し早く婚約者を決めたかったようだが、近い年齢で僕と身分相応の令嬢がいなかったため、なかなか決まらなかった。
しかし、王妃教育を早くしなければと年は私より2つ上だが、ロレーヌ公爵家のヴィオラ嬢が婚約者となった。
そして今からその婚約者と初めて会う。
僕より年上か…。
年頃の男に対して年上ってどうなんだ?どうしても年の差を気にしてしまう。
10歳にして、とても賢い令嬢と聞いた。
王太子として日々努力しているが、未熟な僕のことを見下したりする令嬢ではないといいが。
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「お初にお目にかかります。ロレーヌ公爵が娘、ヴィオラと申します。」
と、自己紹介と10歳で完璧なカーテシーをする、ウェーブのかかった菫髪に淡いピンク色の目のとても可愛い令嬢が。
天使…
自分の顔が赤くなるのがわかる。
恥ずかしくなってとっさに思いもしないことを言ってしまった。
「誰がこんなブスと結婚するか!」
やってしまった…そんなこと思ってないのに!!どうしようか考えていると、ヴィオラ嬢と目が合った瞬間、
「…可愛い!」
…は?今僕に可愛いと言った?
あ……まだ目が合っている。一瞬時が止まったかのようだったが、恥ずかしくなって顔を背けてしまった。
その日はそこで終わってしまった。