11
王妃教育が終了した私は、王妃様から結婚するまでは節度を守り自由に楽しんで良い、結婚したら、できないことが増えるため今のうちに楽しみなさい!と言われている。
とはいえ、何もすることがない。
私の楽しみといったら、アレク様を可愛がることだ。もう何年もできていない。
先日、王妃様とのお茶の席で、
「最近、ヴィーちゃんはアレクとはどうなの?」
「アレク様ですか……。お会いできていません」
「そう。あの子も15歳……思春期かしら」
「……それだけではないと思いますけど」
王妃は扇子で口元を隠した。
「それはどういうこと?」
「ここ半年、こちらに男爵令嬢のソフィア様がいらしているようで……その、アレク様と懇意にしているとお聞きしました」
「あぁ、その子ね。そうね、確かにアレクと仲良いみたいね。よく見かけるわ」
「……そうですか」
「負けてられないわね。ヴィーも頑張りなさい。昔のあなたは積極的だったわよ」
なんて言われた。
王妃様、昔と違うのよ……
可愛いアレク様いないのよ……
背も高いし、腕もほどよい筋肉がついている(近くで見たことはないけど)
顔だって大人っぽくなって色気が出ていてかっこいいわ(近くで見たことはないけど)
あんなに可愛かったアレク様は
大人の男になりつつある。
ショタコンだけど、それはそれで好きなのだ!私は、好きな子の成長した姿も最高に好きなのだ!
でもアレク様には近づけない……会わない時間が長すぎてどう接して良いのかわからない。
入学してから学年が違うため会う機会は滅多になかったのに、学園の中庭でアレク様、フランツ様、ソフィア様でランチを楽しんでいるところを見つけてしまった。
……久しぶりにアレク様の笑った顔を見たわ。
……あ。
アレクサンダーがヴィオラに気づいた。
途端に、スッと笑顔が消えた。
ヴィオラは目が合い動揺して走り去ってしまう。
聞いてはいたけど、実際に一緒にいるところを見ると辛いわ……
それに……ソフィア様は絶対にヒロインだわ!ピンク頭であんなに可愛いんだもの!!
そうなると私って……邪魔ね。
ブックマーク、評価本当にありがとうございます!




