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山小屋に舞い込んだ少女  作者: らすく
9/12

まあ、慌てなさんな

 「訓練を・・・・・・・・。」

 舞山は、少女が置かれていた環境の深刻さに心を重くした。

 彼女に言うとおり、本当に物心がついた頃からの事なのであろう。

 しかし、老人は思った。

 少女は選べなかったのだ。

 彼女が何をしようが、おそらくこの恐ろしい状況からは、逃れられなかったのであろう。 

 今まで、他の子供達が感じるような幸福は、この少女には存在しなかった・・・・。

 それ故に彼は、この話が重くなればなるほど、彼女を何とかしてあげたい気持ちが強くなってきたのであった。

 舞山が、少女の顔を見ると、今まで以上に彼の方を大きな瞳で見つめていた。

 そして正座した膝に置いた拳を、ギュッと握りしめている様子であった。


 「私がここにいると、貴方に危険が及びます。」

 山小屋に舞い込んだ少女は、話の核心に切り込んで行こうという雰囲気が伺えた。

 彼女は話を続け、自分の身の上を語り出した。

 「私は先ほど行ったように、物心がつくような頃から、暗殺者としての訓練を受けてきました。

 そしていままでに、多くのキャリアを積んできました。

 両腕に拳銃を持ち、いままで何人もの人達を殺めてきました。

 その中には、私と同じような子供もいました・・・・。」

 「・・・・・・・・・・。」

 舞山は、彼女の告白に対してすぐに相づちが打てなかった。

 さらに彼女は、続けた。

 

 「これも先ほど申しましたが、わたしは今回の任務に失敗しました。

 そして逃走して、今ここにいるのです。

 貴方の、ご想像の通り、私の衣服にはターゲットの返り血がついていました。」

 老人は彼女の説明から、少女が危険な状況であることが分かってきた。

 そして、山小屋に舞い込んだ少女の告白の大詰めは・・・・。


 「私は暗殺に失敗しただけでなく、ターゲットからも面は割れてしまっています。

 しかも任務に失敗して逃走しているので、自分の所属していた組織からも追っ手は迫ってきています。」

 少女の台詞で、舞山は全てを悟った。

 面が割れた暗殺者は不要の烙印を押され、消される運命にあるのだろう・・・・。

 「今すぐに、私はこの小屋からでていきます。

 大変お世話になりました。」

 ベットの上で正座をしていた少女は、健気にもペコリと頭を下げた。 

 彼女のその振る舞いを見た老人は、軽くため息をついた。


 「まあ、慌てなさんな。

 お嬢さん。

 私は実は昔、自分の妻と娘を殺したんだ。」



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