そんなこと、言わなくてもいい
なんと山小屋に舞い込んだ少女は、とんでもないことを言い放ったのであった。
人を殺めてきた、とはその言葉のまま解釈しても良いのでろうか。
それでも舞山は、彼女に対して恐怖や不信感を抱いていなかった。
(なにか理由があるはずだ・・・。)
その老人は、原因を探ろうとしか思っていなかった。
「いずれにせよ・・・・。」
彼は、しばしの沈黙の後に台詞を出していた。
「まだ、お嬢さんの体は十分に回復していない。
しばらくの間は、なにも心配しないでここで療養したほうが良いよ。」
舞山は今もなお、彼女を受け入れるという意思表示をしたのであった。
「それはできません。」
それでも少女は、キッパリと老人の心遣いを拒絶したのであった。
「こんな寒い季節に体力の無い体で、出て行かせるわけにはいかないよ。」
老人は自身の医者としての意地、いや、人としての気持ちを彼女に示した。
「そんなこと・・・・。
きっと貴方は、私がどうゆう人間か知ったら後悔するでしょう・・・・・。」
山小屋に舞い込んできた少女は、顔をうつむかせて少し目を潤ませているようにも見えた。
「あんたは、まだ子供だよ。
そんなこと、言わなくてもいい。」
そう言って、舞山は彼女の両肩を優しく抱いた。
しかし少女は意を決したように、打ち明け始めた。
「わたしは、任務に失敗したのです。」




