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どこに取ってあるのですか?
「さっきはごめんね。」
驚いて部屋を再び出ていた舞山は、再びその部屋に戻っていた。
「いえ、お気になさらずに。」
少女は先ほどのことは、とくに気にしていないようだ。
流石に、舞山とは年齢が離れすぎて、ショックを受けるほどの事ではないのであろうか。
「気分はどうかな?」
彼は、少女の体調を気遣った。
「うん・・・・・、だいぶ良くなりました。」
彼女は、やっと子供らしい表情を見せた。
ひょっとしたら、警戒感が薄らいできたのかも知れない。
(そうだといいのだが・・・。)
舞山は少女に少しでも安心して、早く体調を回復して欲しいと思っていた。
そして・・・、何事もなく彼女には元の生活に戻って欲しかった。
元の生活・・・・・・
老人は、自分で考えていて戸惑いを覚えた。
(この娘にとって、元の生活とは何なのだろう・・・。)
舞山は、彼女がどんな世界から現れたのかは知らないのである。
彼の心は、沈黙してしまった。
「おじさん。」
「ん、なんだい?」
老人は少女にオジサンと呼ばれ、少し気持ちが和らいだ。
しかし、それもつかの間だった・・。
「あたしの武器は、どこに取ってあるのですか?」
舞山の心は、再び凍り付いた。




