番外編~従者の日常
この話はユウヤの従者であるヤヨイ、修羅、フェニがユウヤに呼ばれていない時の日常を描いた話である。
ヤヨイ達、ユウヤの従者は普段ユウヤのスキルである異空間生成によって創られた異空間で生活をしている。
ヤヨイが最初に向かったのは畑だ。
「うん、良い出来です」
ヤヨイはメニューを開いて取れた食材の品質を確認する。
どうやら良い感じに出来上がったみたいだ、その食材の品質は殆どが最上級である。
品質が最上級の食材はプレイヤーの中でも手に入れる事が困難であり、味もさることながらその食材を使って料理をする事で大量の料理スキルの経験値が稼げるという料理スキルを持ったプレイヤーにとっては喉から手が出るほど欲しがるものだろう。
ユウヤと一緒に居ない時、ヤヨイは基本的に異空間で果物や農作物、植物の栽培をしている。
畑は土魔法で耕し、水魔法によって水をやる。
水魔法によって発生する水は全て魔力水である。
魔力水をたっぷりと吸収して育った食物は通常の食物より美味しく、そして何よりも一時的にステータスが向上する効果がある。
この効果は料理スキルで調理する事で上昇し、さらに持続時間も伸びる様に出来ている。
続いて向かったのは果樹園だ。
ここではリンゴ、オレンジ、梨、ブドウ等、色々な果物が栽培されている。
通常、果物とは気候によって色んな種類の果物を育てることは出来ないがユウヤのスキルによって創られたこの空間はそんなものも関係なく育てる事ができる。
最後に薬草等の素材アイテムを採取した後、ヤヨイは空間の中央にある家に帰る。
ヤヨイは今取ってきた食材で料理をし始める。
主人であるユウヤに美味しい料理を食べさせたい、その為に料理スキルを磨き、マスタースキルにまで成長させたのだ。
その料理は現実の一流シェフが作った料理より美味しい。
ヤヨイは自分達の分を取って料理をストレージの中にしまっていく。
続いては修羅だ。
修羅は基本的にフェニと鍛練をしたり、一人で修行をしたりする他、1つの仕事をしている。
「コケーー!!」
それは鶏、牛、豚を育てる事である。
この空間はユウヤが皆が快適に暮らせる空間を創るスキル、と運営に注文したスキルだ。
なのでヤヨイ達がやりたいと思ったことはある程度通る。
それを知ったヤヨイと修羅は果物をや野菜を作り、豚や牛を育てる事にしたのだ。
牛や豚を育てると言ってもそこまで難しくは無い。
基本的に動物の餌は大量に補充して置けば定期的に与えられるし、卵や牛乳等の食材も取れたら自動的にユウヤのストレージに入れられるからだ。
この事を知らなかったユウヤはいきなり牛乳や卵、野菜等が大量にストレージに入っている事に驚いた。
ユウヤは後々に食材用にフォルダを作って素材と混ざらない様にしていた。
そんな事で修羅がやっている事と言ったら
豚や牛、鶏を精肉にする事だけだ。
キレイに頭を切り落とす為にユウヤに剣を打ってもらったりしたが、お陰で品質の良い肉を定期的に手に入れる事ができる様になった。
修羅は今日も森でモンスターを狩り修行をして一日を過ごす。
最後はフェニだ。
フェニはその巨大な身体から食材を直接作ったりする事は出来ない。
そんなフェニの異空間での仕事は上空から異空間に住んでいる動物の保護とモンスターが動物を襲わないかのパトロールが主な仕事だ。
フェニは上空から癒しの魔力を散布しながら異空間をパトロールする。
「ふむ、あちらから不穏な気配が」
フェニがその場に向かうとモンスターが動物を襲っていた。
フェニはモンスターを蹴散らすと癒しの魔力をモンスターによって傷つけられた動物や木に当てていく。
フェニの癒しの魔力によって動物達は多少の怪我をしても回復し、植物は成長を促進される。
これによりウサギや猪等の肉をドロップする動物が莫大的に繁殖している。
一部のモンスターはフェニの癒しの魔力にあてられて聖獣化しているモンスターも居る。
そのモンスターというのがウルフ系モンスターである。
群れを統率していたボスが聖獣化した事をかわきりに群れのウルフも聖獣化したのだ。
しかもフェニの魔力によって聖獣化した事で多少の傷は直ぐに治せるという特殊能力を取得した。
ウルフ達は聖獣化した影響で動物を襲う事が無くなり、逆に魔物を倒すようになった。
これによりウルフ達は進化し、独自の種族、ホーリーウルフになったのだ。
ユウヤの知らない内に配下となったホーリーウルフ達。
ホーリーウルフ達はフェニと共に異空間の平和を維持している。