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No.74~PVPイベント4

最強プレイヤー決定戦(技術部門)のトーナメントが開始するという事で解説席に転移された俺は席に座ってトーナメント表を確認する。


一回戦は小次郎とクロネコというプレイヤーらしい。


二人ともランキング初期から上位に居るプレイヤーだ。


剣士対魔法使いという事で今回の戦いは小次郎はいかに相手の魔法を掻い潜りつつ距離を詰めるかが肝になる。


対してクロネコの場合はMP管理をしっかりしつつ相手の攻撃範囲外でいかに魔法攻撃を確実に当てるかが重要になる。


隣にいる陽菜がマイクを持っている事と二人のプレイヤーが闘技場に立っている事からもう少しで始まるみたいだ。


「それでは!最強プレイヤー決定戦(技術部門)トーナメント一回戦を開始します。

一回戦で戦うプレイヤーは小次郎さんとクロネコさんです!解説のユウヤさん、この二人の戦いをどう予想しますか?」


さて、解説の仕事を始めますか…ゲームの解説はやった事が無いからなんか緊張するな。


「はい、二人の使用武器は刀と杖。

魔法職のクロネコさんは主な攻撃手段である魔法を撃つ毎にMPを使用してしまうのに対して近接攻撃を主な攻撃手段にもつ小次郎さんはMPを使い過ぎて攻撃手段が無くなるという事が無いので長引いたら小次郎さんが勝つと思われます。

クロネコさんはいかに小次郎さんの攻撃範囲から離れつつ魔法攻撃を確実に当てて行けるかが重要だと思われます」


「成る程、ありがとうございます、それでは!トーナメント一回戦を開始します!」


という事で始まった一回戦。


「ではクロネコ殿、お手合わせを願うでござる」


「よろしくニャ、手加減しないからさっさと掛かって来いニャ」


早速戦闘開始かと思われたが、小次郎とクロネコはそれぞれ佐々木小次郎と猫の獣人のロールプレイをしているみたいで、小次郎は語尾にござるを、クロネコは語尾にニャを付けて会話…というかクロネコの方は挑発をしていた。


「いざ尋常に勝負!」


「ボコボコにしてやるニャ」


と言ってもランキングに載ってる様なプレイヤーだ、安い挑発に乗ることもなく戦闘は開始された。


俺は所々に解説を交えつつ二人の戦闘を見る。


始めに行動したのは小次郎だ。

前傾姿勢を取る事で素早く移動し、流れる様に刀を鞘から取り出して切りつける。


だがクロネコもただ切られる訳が無い、魔法の威力を多少増加させる効果がある杖で刀を受ける。


ちなみに今回のトーナメントでは武器に耐久値が設定されて無いので武器破壊をする事は出来なくなっている。


攻撃を杖で受けたが衝撃とダメージをくらう、が攻撃の直後の硬直を狙いクロネコは魔法を放つ。


クロネコの放った魔法は火属性の魔法。

自分の攻撃が杖で防がれた事に気を取られた小次郎は足元から放たれる魔法に気が付かずにモロに直撃する。


火属性の魔法が当たった事で、黒煙が発生して二人の姿が見えなくなる。


最初の攻防はクロネコの勝利、クロネコには魔法が当たるという確信が有ったのか小次郎に当てられた魔法には少なくない魔力が籠められていた。


(外していたら戦況が一気に変わっていた一撃だ)


煙が無くなった事で二人の姿が見える様になる。


一定の距離感を保ちながら相手の出方を見ている二人…今度はクロネコが攻撃に出る。


クロネコの杖からファイアーボールが5つ放たれる。


固定されているステータスに魔法操作の上位スキルである魔法掌握は入って居ないので魔法の軌道を曲げたりする事は出来ないから多分本命は先に相手の元に行く魔法を避けた先を狙った一撃。


(最初の4つの魔法は誘導か)


1つ目、2つ目の魔法を避けてクロネコの元に走る小次郎、3、4つ目になると避けるのがギリギリになっている所に一番魔力の籠められたファイアーボールが小次郎に迫る。


観客の殆どがこれで終わりだな、と感じていた時、俺は確かに見た。

小次郎の口角が上がっていたのを


「なんとぉ!小次郎さん!当たるかと思われたが魔法を切り捨てた!」


呪文破壊(スペルブレイク)、魔法の中心を攻撃する事で、魔法攻撃を壊し無効化する技術。

魔法の中心に当てないと大ダメージをくらってしまうというリスクがある技だ。


俺も俺とシュウ、ユウ以外に使っている所を見たのは初めてだ。


確実に決めたと油断していたクロネコに向かって攻撃をする小次郎。

油断していた事で回避、防御が遅れてしまったクロネコ。


一回戦の勝者は決まった。


「一回戦勝利者は…小次郎さんです!」


勝利のアナウンスと共に喚声が聞こえる。


次はニート対ジンの対戦だ。

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