No.60~クリスマスイベント4
さて、今の時間は4:16分、クリスマスイベントは1日しかないからそれまでにポイントを稼げるだけ稼がないと、俺は分身を生成して狩に行かせる。
分身がフィールドに行ったのを確認して、シュウに会いに行く。
今日のクリスマスイベントはレン、ユイはユグドラシルオンラインで稼いだお金で母親にクリスマスプレゼントを買うために昼は一緒に買い物に行くと言っていたので今回のイベントには参加しないらしい。
ヘルとユウはそれぞれ知り合いのプレイヤーとイベントに参加すると言っていた。
なのでイベントに参加して、かつ予定が無かった俺とシュウは4:30分までは個人でモンスターを狩ったりしつつ、4:30分からは一緒に行動する事になったのだ。
ヘルが俺たちに他のプレイヤーと行動すると報告した後に何かシュウに話していたな、内容は聞こえなかったけど…っとシュウが来たみたいだな、俺はシュウに小さく手を振りながら俺の居る場所を教える。
「ユウヤさん!こんにちは、今日はよろしくお願いしますね」
「おう、よろしくな、それで、どうする?フィールドに行くか?」
「いえ、さっきまでフィールドでモンスターを狩ってたんですから少しは街で遊んで行きましょうよ、ほら街もクリスマス仕様になってますしね」
俺はシュウに早速フィールドでモンスターを狩りに行くかを聞いたのだが、シュウに街で遊ぼうと言われた。
俺も中央広場位しか見てないからな、クリスマス仕様の街を見て回るのも楽しそうだ。
「いいじゃないか、クリスマスだから限定のクエストが追加されてるかも知れないしな」
「ユウヤさん…まぁそれでも良いですほら、行きますよ」
シュウは俺に声を掛けて俺の前を歩いていく。
そんな訳で街をブラつく事にした俺たちが最初に向かったのはカフェだった。
ファウストの街の南側にあるカフェは街の景色を一望できる場所にあり、料理も美味しいと言うことで一部のカップルプレイヤーや料理スキルを鍛えたいプレイヤーに人気のカフェだ。
料理スキルは基本的に料理を作る事で、スキルレベルが上昇するのだが、
カフェや料理店等の料理を食べる事で隠しステータスが上昇して美味しい料理を作る事が出来る様になったり、料理スキルの成長が早くなると言われている。
この話は美味しい料理を食べ歩いていたプレイヤーがたまたま自分で料理を作り始めた時に他のプレイヤーより美味しい料理を作ると評判になった事から判明した。
これを料理スキルを取得しているプレイヤーからはNPCの料理を食べる事で、プレイヤーの料理のセンスが上がると言われている。
俺はショートケーキとコーヒー、シュウはチョコレートケーキと紅茶を頼んだ。
カフェでシュウとの会話を楽しみつつケーキを食べ終わった俺たちは近くにある店を覗いて行く。
プレイヤーがやっている店ではないから性能は余り良い方では無いが装飾がキレイだったりするので女性のプレイヤーからは人気が有ったりする。
俺もたまに掘り出し物があるのでちょくちょく露店を見る。
露店で掘り出し物が無いかを探していたら一人の少年が話しかけてきた。
「お兄ちゃん達!サンタさんを助けて!」
サンタさんを助けて!、と言う言葉を聞いた俺が最初に思ったのは今回のイベント限定クエストが始まったという事だ。
俺とシュウは男の子の話を聞く、するとサンタさんが倒れているのを発見したので俺たちに助けを求めたらしい。
男の子の案内でサンタさんの元に向かうと白い髭を携えた赤い服を着たおじさん、もといサンタさんが倒れていた。
サンタさんの倒れている近くには血痕があり、俺たちはまずサンタさんの安全を確認した。
鑑定でサンタさん鑑定すると名前と現在の症状が判明した。
名前はサンタ・クロース鋭利な刃物に刺された事による出血状態と出たので先ずはHPを回復させる為にHPポーションを、出血状態を解除する為に傷薬を使用する。
するとサンタ・クロース(サンタクロースでいいや)のHPは回復し、出血状態も解除された。
サンタクロースのHPが全快してから約5分、サンタクロースは目を覚ました。
「ここは…そうだ!プレゼント、プレゼントは何処だ!」
サンタクロースは目を覚ましたかと思うと周りを探し始めた。
俺たちは一旦落ち着かせる。
落ち着いた後に事情を聞くとサンタクロースは少しずつ事情を話始めた。




