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No.41~テイムイベント2

ユウヤがイベントマップに入って採取ポイントで素材を乱獲している頃、ヤヨイと修羅はユウヤの言い付け通りに行動していた。


ヤヨイはウサギや鹿を見つけると気づかれないように約300メートル離れた所で気配を消し、矢を放つ。

300メートルと言う知覚外、なおかつ弓による威力の補正。

風の付与(エンチャント)により、正確にかつ高速で迫る矢に気付かない内にウサギや鹿は命を絶つ。

頭だけが爆散し、生命活動の停止を確認すると獲物を木に吊るし血抜きをする、全ては主、ユウヤに美味しい料理を作る為に。


一方修羅は木を伐採していた。


「ふむ、主もどのくらいの範囲かを指定して無かったからな、これくらいで良いだろう」


修羅はユウヤ達が居た場所から半径一キロ

の木を全て根から抜き、土魔法で地盤を固め、木を全て丸太にしてから、水魔法を使い丸太から水分を取り乾燥させる。

乾燥した丸太はインベントリに入れる。


通常モンスターはインベントリを使用する事は出来ないが、修羅とヤヨイはインベントリを理解し、尚且つユウヤのストレージと共有する事で、インベントリを使用出来る様になった。


修羅が一連の行動を行った時間は木を合計1657本抜くのに1時間半、地盤を固め、木を加工できる様にするのに4時間。

現実では絶対にあり得ない事だが、ゲームでは相応のステータスが有れば簡単にできる。


全ての作業に掛かった時間は5時間半、作業が終わる頃にはヤヨイも合流した。

合流したヤヨイは修羅に作成した拠点の設計図を渡し、自分は獲ってきた材料で料理を作り、出来た物からインベントリにしまう。

インベントリ内では時間の経過がないので、料理が腐る事も冷める事も無い。


渡された修羅は設計図の通りに木を加工し、組み立て始める。


ユグドラシルオンラインでは、十分な土地と素材を用意し、設計図を作成する事で、設計図の通りに加工、組み立てが出来たらゲーム内補正が掛かり、ちゃんとした設計図通りの拠点を制作する事ができる。


因みに設計図がちゃんとしていないと家の外観、内部がおかしくなるし、設計図から離れた組み立てをすると建物全体の耐久値が著しく低下する。


本来は専用のスキルを使って作る拠点もヤヨイたちには関係無い。


二人は自分の主人であるユウヤに尽くすだけだ。


修羅達が家や料理を作っている時、ユウヤは採取ポイントで採取をし、他の採取ポイントで採取をすると言うことを繰り返していた、しっかりモンスターがリポップしたら魔法で倒し、素材の回収も忘れずに。

ひとまず近場の採取ポイントは取りきったかな、採取ポイントから取れたアイテムはポーションの材料になる薬草、ハイポーションの材料になる上薬草の他、マナポーションの材料の魔力草、STRポーション等の一時的にステータスを上昇させるドーピングアイテムの材料等、通常のフィールドでは手に入らない様な物も大量に手にはいった。

採取が終わったから次は発掘、と入り口に発掘ポイントが見える鉱山らしき所に向かおうとすると策敵に1つの大きな反応が、こちらに向かってどんどん加速してくるモンスターが、此方に近づいてきて、視認できる距離までくる。


その姿は大空に炎を撒きながら此方に飛んで来る大きな火に包まれた鳥だった。


(火に包まれた鳥かぁ、有名なモンスターで火に包まれているって事は朱雀、鳳凰、フェニックスが有名な所だよな、)


因みに朱雀、鳳凰、不死鳥であるフェニックスは同一視される事があるが実際は違うらしい。


朱雀だった場合は他の四獣である青龍、白虎、玄武も出てきそうだから、多分無い。


朱雀や有名な神話生物等はゲームだと凄く強い。


この火の鳥も多分レイド級のモンスターだと思うからな、それを4体も出すのはあの運営でも流石に無い…無いよな


なので残るは鳳凰か不死鳥なんだけど、運営が歴史通りに作っているなら目の前にいるのは不死鳥の方だと言える。


鳳凰は前2世紀頃前漢の時代に成立されたという中国最古の類語辞典『爾雅(じが)』17章によれば、頭は鶏、頷は燕、頸は蛇、背は亀、尾は魚とされているので、目の前にいるのは火に包まれた鳥なので不死鳥だと思われる。


俺が目の前に居るモンスターを不死鳥だと予想し、何かのイベントが始まるのかと身構えると、なんと目の前の火の鳥が喋った。


「お前が我の治めるこの森のモンスターを倒したのか?」


「あぁ、そうだが?」


「まぁ、別にモンスターを倒した事を咎めるのでは無い。

我はお前が我を従えるにあたいするのかを確かめに来たのだ」


「我を従える?」


「そう、確かお前は神に会って居るんだったか、なら説明は不要だろう。

邪神の復活が近づいている中、我らもこの世界の為に協力するのも問題ない。

神からは見込みが有りそうなプレイヤーに力を貸してと言っていたが生憎我は我より弱い者に力を貸すつもりは無い。」


「つまり、自分と戦って力を示せと」


「そういう事だ、それじゃあ始めるぞ、っとその前にこれを使え」


使えと渡された物は『不死鳥の涙』と言うアイテムで、HP、MPを200%回復させるアイテムだった。


やっぱり目の前に居る火の鳥は不死鳥だったみたいだ。

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