番外編3~デート(ヘル編)
現在俺はユグドラシルオンライン…の中では無く普通に街に来ている。
基本的に島から出ない俺はこっちがわに来ることは殆ど無い。
欲しいものが有ればネットで注文するし、運動自体は島でも出来るからな。
所で、何故そんな俺が島から出て東京に来たかと言うと…
「お~い!祐也~」
そう、今日はヘルこと、春香の付き合いで東京に出てきたという訳だ。
「お待たせ~待たせちゃったかな?」
これはあれだな?お決まりのセリフという奴だな。
「いや俺もさっき着いたばかりだからそこまで待ってないぞ、それよりも」
「ん?何?」
「その服、似合ってるぞ」
今日の春香の服装は白いワンピースに麦わら帽子と非常に夏らしく、可愛らしい格好をしている。
「そ、そう?ありがと」
「じゃあ早速行くか?初めは何処に行くんだ?」
「えっとね~よし、ここに行こう!」
そう言って俺の手を掴んで進んでいく春香、俺は行き先も伝えられぬままに春香に手を引かれている事しか出来なかった。
春香に引かれて着いた場所は水族館だった。
成る程、春香は水族館に行きたかったのか。
「じゃあチケット買ってくるな」
俺はそう言ってチケットを買いに行こうとする。
「待って、私も行く」
が、春香も行くという事で俺たち二人はチケットを購入するために列に並ぶ。
「それにしても水族館かぁ」
「祐也は水族館嫌いだった?」
俺の言葉を聞いた春香がそう聞いてくる…うん、言い方が紛らわしかったかな。
「いや、俺って基本的に家から出ないからさ、水族館なんて久しぶりだなぁって思ってな」
「なら良かった」
チケットが買えるまでの間を春香と他愛の無い話をしながら待つ。
そして俺たちの番がきた。
「学生1枚、大人1枚でお願いします」
俺は年齢的には高校生3年~大学1年だが、学校には通ってないしな。
「はい、畏まりました…所で可愛い彼女さんですね」
チケット売り場の女性は俺たちがカップルに見えたのかそう言ってくる。
「か…彼女…」
後ろから非常に小さい声でそう聞こえたのを見ると春香も俺の彼女と間違えられて恥ずかしがっているのだろう。
「はい、俺にはもったいない位いい人ですよ」
まぁそのままスルーしても良いのだがチラッと見た春香の様子が面白かったので追い討ちを掛けるように言う。
「はい、こちらがチケットになります…頑張って下さいね」
「はい」
女性からチケットを受け取り後ろに振り向く。
するとソコには顔を真っ赤に染めた春香が立っていた訳だが、俺が近づいても反応が無い。
やはり少しやり過ぎたか?と思いつつ次の人の迷惑にならない様に春香の手を握って列から離れる。
その後に復活していつも通りになった春香と共に水族館を楽しんだ。
そして一通り水族館を回った所で良い感じの時間になったので昼飯を食べる。
「じゃあ最後にいるかショーをみて水族館は終了だな」
「そうだね、行こう、祐也」
2人でいるかショーが始まる場所に向かう。
いるかショーが行われる場所に着くと、既に席に座って待っている人が居た。
「どうやらここで間違いないみたいだな」
「うん」
そして席に座りながら少し待っているといるかショーが始まった。
職員の人といるかのショーは見ていて面白い。
が、なるべく近い位置で見ようと席をとった為にいるかが入水した時の水しぶきが飛んできた。
俺はとっさに春香の盾になるように前に出たお陰で春香は濡れる事はなかったが代わりに俺がびしょびしょになってしまった。
「えっと、大丈夫か?」
「うん、祐也のお陰で濡れなかったよ、ありがとね」
春香にお礼を言われた俺はおう、と返事をする。
その後、いるかショーは終了し、俺達は水族館から出た。
「ん~!楽しかったね!」
「そうだな、楽しかったな」
水族館なんて来る機会が無かったから新鮮だった。
「この後はどうする?って先ずは服屋さんに行こうか」
春香は俺がずぶ濡れになったからか服屋に行こうと言ってくれる。
その後は服屋によったりゲーセンによったり等をした。
最後に別れる前にとある物をプレゼントしたのだが、喜んでくれたので良かったと思う。