No.186~誕生日7
再度王様だれだ!の掛け声と共に皆で割りばしを確認する。
「今回は俺が王様みたいだな、いや~今日はじめての王様だから何を命令しようかな、さて、そこの2人はなんでそんなに慌ててるんだ?」
「やべぇ、ユウヤが引いちまったよ、エグい命令をだされたらどうする」
「まて、このゲームでは個人名ではなく番号で命令をするから俺たちが当たる可能性は少ない、しかも女子に当たる可能性を考えてユウヤは多分そこまでヤバい命令は出さないだろう」
「そうか、そうだよな!」
甘い、お前らは甘すぎる。
「そうだな~うん、4番と6番」
2人の番号を確認しながら言うと二人は面白い位にビクッと体を震わせた。
「不正だ!何かずるをしたに決まってる!」
「そうだ!俺とユウの番号をピンポイントに当てるなんて何か細工をしなければ出来ない!」
とまぁ俺に何を命令されるか分からない二人は不正行為だからゲームは無効化だ、と言ってきた。
「証拠は?」
「「え?」」
「証拠は有るのか?」
「だ、だって俺たちをピンポイントに当てるなんて何かしないと出来ないだろ」
「たまたまだって可能性もあるでしょ?」
二人の主張に対してヘルが言う。
「そうだ!割りばしに何か細工をしていたんだ!だから俺らの番号を知ってるんだ」
「私たちの目の前でスキルで作っていたのに細工なんて出来るわけ無いじゃないですか」
そして2つ目の可能性もシュウが潰す。
「ほら最後だけはユウヤが割りばしを回収しただろ、その時にストレージから細工をしている割りばしを出したとしたら出来るじゃないか」
ユウが第3の可能性を提示する。
「私たちが王様ゲームをするって決めたのはユウヤさんじゃ無くてユウさんです。
しかも、ユウヤさんが王様ゲームをすると知っていて細工している割りばしを用意していたならまだしも、いきなり決まったこのゲームで細工する事は出来ませんよ」
まぁこの可能性は絶対にあり得ないけどな。
「ていうより、命令を受けたくないから不正だって言うなんて男気がないよ」
「だって最後の王様ゲームで狙っている相手を当てるなんてあるか」
残念だが、君たち2人では俺の不正を見抜くことは出来ないのだよ。
「不正だって言うんだったら証拠を見せないといけないんだぜ」
「クソ!分かったよ、やりたいようにすりゃあいい」
「潔くて良いじゃないか、じゃあお前ら2人に下す命令は…俺が設定した条件で俺と全力で戦って貰う」
「え?そんなことで良いのか?」
「ああ、良いぞ」
「良かった、もっとひどい命令を予想してたから安心したぜ」
2人は俺の命令が軽いと思っているのだろう。
「さて、じゃあ早速始めようか、ルールはどうしようか」
メニューを開いてPVPを選択する。
ユウとレンにPVPの申請をして認証が得られたところでPVPの設定を決める。
先ずは勝利条件は30分間で相手を何回倒したかの数で決める様に設定してPVPを開始する。
30分間のPVPでは本気で2人をぼこぼこにした。
フル装備で戦ったから2人の攻撃で俺がダメージを食らわないどころか2人の攻撃は俺のMPへと変換する。
2人の撃った魔法は魔力支配を使って2人に当たる様に軌道を変化させた。
まぁ流石に10分ぐらい経った後に流石にやり過ぎたと思ってそれからは少し手を抜いたけどな。
「やべぇ、俺絶対にユウヤだけは怒らせねぇわ」
「俺もだ、もう2度とあれはくらいたくねぇ」
PVP終了後にヘルとシュウにやり過ぎだと怒られてしまったが、次からは気を付けると言って話を終了させた。
その後もパーティーは続き、皆でヤヨイやヘル達が作った料理を楽しんだり、プレゼントを貰ったりした。
そして時間は過ぎていき夜も遅くなったという事で皆ログアウトする。
という訳で皆が帰った後にギルドハウスの片付けをしようとしたのだが、 修羅達にやらなくて良いと言われてしまったので、少しだけフィールドに出ることにする。
夜の草原に佇み、夜風に当たりながら今日の事を思い出す。
「今日は本当に楽しかったな、」
今日のような日をいつまでも続けていきたいと思う。
だからこの世界を破壊し、俺たちの生活を脅かす邪神は絶対に倒さなければならない。