No.182~誕生日2
「それで、これって普通の人生ゲームと同じやり方でいいのか?」
「いいや、違うぞ」
持ち主であるレンにやり方を聞いた所、普通の人生ゲームとはやり方が違うらしい。
「この人生ゲーム(異世界バージョン)はまず自分の駒に魔力を注ぐらしい、こうする事でプレイヤーの魔力を覚えるみたいだ」
「それで?駒に魔力を覚えさせてなんの意味が有るの?」
皆言われた通りに駒に魔力を注いでいる中ヘルがレンに質問した。
「まぁ慌てないでちゃんと説明を聞けって、まぁこれで準備は完了だ、後は順番を決めてサイコロを振ったら駒が出た目の数進んでくれるらしい」
そういう事か、つまりこの人生ゲームはこの世界に居る生物は常に少量の魔力を体外に放出していて、その魔力の波長は1人1人違う事を利用してるって事か。
この魔力の波長が1人1人違うというのを知っているプレイヤーは少ないだろう。
実際に俺も魔力支配を覚えてなかったら気づかなかったし。
魔力支配は他人の魔力を支配する事が出来るというスキルなので、副次効果として魔力を視ることが出来る魔力視の効果も有る。
「へぇ~そうなんだ、でもどうやって出た目が分かるようにしてるんだろうね」
知ってる?とレンに聞くもレンも詳しい事はわからんと言っている。
ので、仕組みが分かった俺が説明する事にしよう。
「じゃあここは俺が説明しようか」
「え?ユウヤさん分かるんですか?」
ユイの質問にイエスで答える。
「という事で説明を始めるぞ」
俺がそう言うと皆俺の方を向いてちゃんと説明を聞こうとしてくれる。
「まず、この世界で存在する生物は無意識にごく少量の魔力を放出してるんだ」
そう言うとヘル、ユウ、シュウ、レン、ユイ、シフォンがそうなんだ…と反応をする。
「そうなんですか…でも何故ユウヤさんはそんな事を知っているのですか?」
シュウに質問をされたので答える。
「俺のスキルで、魔力を視界で捉える事ができるやつがあってな、皆の周りに魔力が滲むかんじで出てるのが見えるからだな」
「へぇ~そんなスキルが有るんだ、」
「ああ、まぁ説明の続きをするぞ、それで駒とサイコロは連動しているみたいだな。
駒に覚えさせた魔力を放出している者がサイコロを振ると連動している駒に出た目の情報が送信されて、駒が勝手に動くという感じの物だと思う」
「そんな仕組みなんですわね、意外と凄い技術が使われているのですね」
シフォンが俺の説明に反応を示す。
「まぁ物は試しだ、やってみようぜ」
というユウの一言で俺たちの人生ゲームが始まった。
順番はくじ引きの結果、レン、シフォン、ヘル、ユウ、シュウ、ユイ、俺の順番に決定した。
「じゃあ最初は俺の番だな」
レンがサイコロを振り、出た目は6。
「っしゃ!最初から6とか、今日は運が良いかもな」
レンが6を出したので駒が6マス進む。
駒が停止すると見えなかったマスの効果が表示される。
「何々?親に内緒でお外に冒険、スライムに追いかけまわされ命からがら帰還に成功。
親にバレた為外出禁止をくらった、1ターン休み…マジかー、最初から休みて…まぁ出ちゃったもんは仕方ねぇか、次はシフォンの番だな」
「はい、では行きます」
シフォンがサイコロを転がし、出た目は2、駒が進んで止まったマスが表示される。
「ええっと、父親が珍しい魔物を討伐した、お小遣いとして1000G貰う、ですか」
「最初にしては意外と良いマスなんじゃないか?次はヘルだな」
「よーし、ここは一発良い効果のマスに止まるよ…5だね、効果は、両親と共に馬車で遠出、4マス進む、これで私がトップだね」
ユウとシフォンが止まったマスとは違って効果が書いてあるだけのマスみたいだ。
「よし、次は俺の番だな…っよ…なんだレンと同じマスかよ」
ユウが出した目は6、効果も同じだ。
「では次は私ですね…1ですか、効果は家に有ったテレポートのスクロールを起動させてしまった、ランダムで他のプレイヤーの元に転移する」
シュウが効果を読み終わったらシュウの駒がレンとユウの居るマスに移動した。
「じゃあ次は私ですね…えい!」
ユイの振ったサイコロの出た目はヘルと同じ5だった。
「じゃあ最後は俺だな…4か、まだ出たことのないマスだな」
俺はサイコロを振る。
出た目は4、効果は父親と一緒に狩りに出掛けた、3マス進むという物だった。