No.181～誕生日1
「さて、とやることもやったし 後は何をしようか」
ヘルから全員揃ったよ、とメッセージが来たのは俺がそう呟いた時だった。
ヘルから来たメッセージを読んでみんながログインしたことを知った俺は、ギルドハウスに直行する。
「 みんな」パーン!
ギルドハウスに入り今日もよろしくと言おうとした瞬間にパーンと破裂音が響きわたる。
「ユウヤ(さん)！誕生日おめでとう！」
いきなりのことで反応があまりできなかった俺は数秒間の間思考停止した後、ギルドハウス内が飾り付けされていることに気がついた。
「お前ら…いつの間に」
みんなは俺の反応を見てイエーイと言いながらハイタッチをしている。
俺は思考する。
昨日のログアウトする時点ではギルドハウスに変化は一切なかった。
となると、この飾りつけをしたのは今日ログインしてからみんながログインするまでの間となる。
だが、今日はみんなは学校のはず 実際にログインできている時間は少ないしこの飾り付けはそんな短時間でできるものではないだろう。
「どう？ビックリした」
口元を緩めながらヘルが俺に言ってきた。
「 ああ、この飾りつけはどうやって？」
俺が疑問に思ったことを口に出すとヘルは「そうか～分からないか～」といってニシシと笑う。
そしてネタバラシの時間だという感じで説明を始めた。
「 今日の集合はみんながログインしてきたらギルドハウスにっていうことだったよね」
「ああ、そうだ」
「今日、私たちは学校が終わったら、 ユウ以外は順々にログインする事に決めてたんだよ」
なるほど全員が集合しなければ俺はギルドハウスに来ないからユウにログインをさせない事にしていたんだな。
「 でもヘルがログインしてから そんな時間が経っていないだろ、この飾り付けの説明は…そう言うことか」
「気付いたみたいだね、 そうこの部屋の飾り付けはヤヨイさん修羅さん、フェルさんにも手伝って貰ったって」
だからあのタイミングで用事があるって言っていたのか、 あの3人がみんなが来る前に飾り付けを初めていたと言うなら納得できる 。
「そういう事だったのか、」
「あの3人には朝から飾り付けをしてもらっていたわけだよワトソンくん、」
朝っていうと俺が電話やメールに返事をしていた時か。
「ユウヤが朝の内は忙しくてログイン出来ないって知ってたからね」
そうだったのか、3人とも独自なAIが組み込まれて自我が有るから俺がログインしてない時も行動出来るって所を上手く使ったって訳か。
「それで、ユウを除いた皆で飾り付けやらをして、さっきそれが終わったからユウにメールを送ってログインさせて俺にメッセージを送ったって事か…」
皆の事だから祝いの言葉位はくれるとは思っていたけど、まさかパーティーの用意もしているなんてな。
「その通りだよ、流石のユウヤも予想してなかったみたいだね」
「ああ、全然予想してなかったよ」
「じゃあユウヤへのサプライズも無事成功した事だし、早速パーティーを始めようぜ」
レンの一言により、俺の誕生日パーティーが開始された。
「じゃあ最初はこれやろうぜ」
そういってレンが取り出したのは現実でも有名なパーティーゲーム、人生ゲーム(異世界バージョン)だった。
「お兄ちゃん、こんなん何処でてにいれたの？」
「これはな、この前やったオモチャ作りのクエストでアイデアをだしたらNPCが報酬として作ってくれたんだよ」
マスの命令何かは俺が考えた訳じゃねぇけどな、とレンは言っていたが、まさかクエスト中にアイデアをだしたら報酬が変わるクエストが有るなんてな。
「まぁゲームの中でゲームをするっていうのもあれだけど、私もこの人生ゲームは面白そうだし、早速やってみよう！」
という事で俺たちは人生ゲーム(異世界バージョン)をプレイする事になった。
