No.167~ダンジョン解放前イベント41
ゴブリンの開けた道から出てきたのはゴブリンの種族でもトップの強さを持つゴブリン、ゴブリンジェネラルだ。
ゴブリンジェネラルはエンペラーとキングに次いで3番目に強いゴブリンだな。
ゴブリンジェネラルかその場を通ると脇に居るゴブリンが頭を下げる。
(これだけ見るとドラマとかで見る王様が目の前を通るシーンみたいだな)
それだけゴブリンの中でもゴブリンジェネラルは位が高いって事か、となるとゴブリンキングやゴブリンエンペラーになったらどうなるのだろう、それが気になるな。
「ッチ、タカガ6タイのテキヲタオスノニナニヲテマドッテイルノダ!」
前に出てきたゴブリンジェネラルが前に居るゴブリンを怒鳴り付ける。
そこに一番前に居たゴブリンがゴブリンジェネラルに抗議の声を上げる
「ウルサイ!」
抗議の声を発したゴブリンはゴブリンジェネラルの怒りをかって手に持った大剣で殺された。
「キサマラゴトキザコガワレ二サカラッテイイトオモッテイルノカ」
おおう、上官には逆らってはいけない、正に軍隊みたいな感じだな、実際より随分過激だが
「サテ、ゼイジャクナルモノタチヨ、ワレガジキジキニアイテシテヤルカラカンシャスルコトダ」
上から目線だが、どうやらゴブリンジェネラルが相手になってくれるみたいだな。
「さて、あちらはああ言ってるがどうする?」
という事で作戦会議を開始する。
「全員で戦うとかですか?」
「いやいや、ここは1対1だろ状況的に」
ユイが全員で戦うかを聞くとレンがすぐさま否定する。
まぁ上手くやれば1対1でも勝てるとは思うが、ステータスの差的には相手の攻撃を食らったら致命傷になる可能性がある。
「まぁ相手が1人で来てるのに6人で囲むっていうのもなんだか格好が悪いですよね」
そしてシュウもレンの意見に賛成している…これは決まったな。
「じゃあゴブリンジェネラルと1対1で戦うのは決定な、それで戦うのは誰にする?俺はパスするけどな」
俺は参加しないことを、言っておきつつ誰がゴブリンジェネラルと戦うのかを決めさせる。
「どうする?俺はじゃんけんで決めても良いけど?」
「今回は俺もパスだ、今回は明らかに俺が苦手なタイプだからな」
ユウも今回はパスするみたいだな、まぁ相手は遠距離攻撃を主軸においているユウが苦手なタフなモンスターだしな。
タフなモンスターは攻撃力も高いから攻撃をくらいながらも突っ込んでくるタイプが多いからな。
それに、ユウの場合相手に近づかれない様に牽制や移動しながら攻撃をしていかないといけないのだが生憎ここは遮蔽物が殆ど無い平地だ。
距離が詰められやすいし、ユウの得意な遠距離からの正確な射撃というのが出来ないからだろう。
「わ、私も今回は遠慮させて貰いますね」
ユイも参加しないみたいだな。
ユイの場合はMPを大量に消費して火力を出せば勝つことは出来るだろう。
だが消費するMPの量を考えるとこの後の先頭に響くと考えたのだろう。
ゴブリンジェネラルを倒しても後ろにはゴブリンキングとゴブリンエンペラーが控えているからここでMPを消費するのはあまり得策では無いだろう。
俺はそんなこと気にしなくても良いのにと考えたがただ単純に戦いたくなかったという事も考えられるな。
さて、これで残るはシュウ、レン、シフォンの3人だが…ヘルはいま何をしているのだろう?戦闘が一時的に止まっている事には気づいている筈、なのに合流をしていないぞ。
俺は翼を生やして上空に飛び周りを見渡す事にした。
当然ゴブリン達は俺に警戒をしているのだが生憎俺は攻撃を仕掛けたりする事は無い。
シュウ達は結局じゃんけんで戦うメンバーを決める様で3人でじゃんけんを始めているのを視界の端で捉えながら周りを注意して見てみる。
(見つけた)