No.13~皆と十連ガチャ
カフェの個室に入った俺はヘルシャフトとシュウに向かって
「んで、早速本題に入りたいんだが、お前ら落ち着けよ」
俺が言った事で言い合いを止めた二人は俺に向かって言う。
「ユウヤ!ガチャだって、ガチャ!、これは皆で集まるしか無いって!」
「まぁ要するに集まって皆で一緒にガチャを引こうって言う訳です。」
ヘルシャフトが興奮して言った事をシュウが説明してくれた。
「ああ、いいぞ、俺も引こうと思ってたし」
「じゃあ決定ね!それで早速ガチャを回したい所なんだけど…クレジットカードの設定してないからまだ引けないんだよね」
「私もしてないです」
「俺も、っていうか、課金要素が出るって知らなかったからクレジットカードの設定とかしてるやつ居ないだろ、まぁ通帳の登録をしてる奴は居ただろうけど」
ユグドラシルオンラインは自分の通帳の情報を設定しておくとゲーム内通貨であるGを100、つまり100Gで現実のお金と交換する事ができる。
つまり運営を通してRMTをする事ができる。
RMTとは、リアルマネートレードの略称でゲーム内のアイテムやお金を現実のお金で取引する事だ。
「たしかRMTって奴だっけ?たしかゲームのお金やアイテムを現実のお金で取引する奴だよね」
「まぁユグドラシルオンラインではゲーム内通貨をお金に変える事が出来るんです。
レートは100Gで1円ですけど」
「へぇ~そうなんだ、100Gってことはあんまり稼げるって訳じゃないんじゃない?」
「いやいやそれはゲームが始まったばっかだからですよ、これからはどんどん難易度が上がっていくでしょうし、それに伴ってモンスターからドロップするGも増えます。
だから強い人は稼げると思えますし、レアドロップのアイテム普通のドロップのなん倍、なん十倍も値がつく事もありますし」
確かに他のゲームだとレアドロップを出すのに数百、数千体倒してやっとドロップしたとか、聴くしな…そう言う俺も一度だけドロップしなさ過ぎて1週間ずっとそのモンスターを狩り続けた事がある。
比較的に出やすい筈のレアドロップだったのになぁ、もう二度とやりたくないと思ったけど多分欲しいアイテムがドロップするって聞いたらやるんだけどな。
逆に全然出ないって言われてたアイテムが2つドロップした時にオークションに出したらすげぇ値段になった事がある。
「そうだよな、俺も大体今16万G位持ってるから1600円にはなるし、後々になったら稼げる様になるんじゃないか?」
「16万Gねぇ、それでユウヤはどうやって16万Gも貯めたの?今は始まりの街の周辺のモンスター素材はそこまで高くないし、そもそも今日の朝はレベルが20だったのに33って可笑しくない?」
「それは私も思いましたよ、今の所初日に20、今日で13もレベルも上がる筈が無いんですよ、それこそあれです、自分より10も20もレベル差があるモンスターと戦ったりしない限り、そんなモンスターが出る場所なんて無いです。」
ふたりは俺の通常ありえないレベルの上がりかたが可笑しい事を指摘してきた。
まぁ、Sクエストだし、推奨レベル25とか言う場所に54レベのモンスターが出んのもおかしいし、てか絶対にあのクエストは序盤にやるって想定してないよなぁ、俺がレベルの爆上がりについて話そうとした時
「分かった!」
ヘルシャフトが気付いたみたいだ。
「分かったって何がですか?」
「フッフッフッ、シュウはまだ解らないの?じゃあヒントを教えてあげる、ヒントは今回のワールドアナウンスだよ」
シュウはまだ気付いていないみたいでヘルシャフトが得意気にヒントを話している。
「ワールドアナウンス…そうか!」
シュウはヒントを聞いて、少し考えると気がついたみたいだな。
「シュウも気が付いたみたいだね、今日のSクエストの終了のワールドアナウンス、ユウヤのレベルが一気に上がった事、これから導きだされる事は」
「「Sクエストをクリアしたのはユウヤ(さん)だった」」
「どう?合ってるでしょ?」
二人は息ピッタリに言ってからヘルシャフトは俺に確認をする。
俺は返事をしてからふたりにSクエストについて話した。
「それでさぁ一番最後に出てきたのがリザードマンブラックって奴でさ、レベルが54もあったんだぜ」
「それで?そのリザードマンブラックて言うのと戦ってどうだった?」
「それがさ、リザードマンブラックに腕を吹っ飛ばされてすげぇ痛かったぞ」
「痛かったってユウヤさん痛覚設定ONにしてるんですか!?」
シュウは痛覚設定をONにしている事に驚いてるみたいだ、そりゃあ、攻撃が当たったら凄く痛いけどその方が集中出来るし、なにより
「この世界に居るって感じがするからな」
「レベル差が20以上もある敵に痛覚設定ONにした状態で腕を吹っ飛ばさされてそれでも勝つってボクはユウヤが人じゃないって言われても信じられるよ、まぁゲーム内では龍人だけどね」
「まぁこの話は置いといて、ガチャが引けなくても何が出るかは確認しようぜ!」
俺が言った事に二人は賛成して、メニューからガチャを選ぶ。
ガチャは単発と十連があって、十連はガチャ開放記念で十連ガチャが無料で引けるみたいだ。
「十連ガチャがタダで引けるって」
「あぁ」
俺はヘルシャフトの声に適当に答えて、ガチャのラインナップをみる。
ガチャで出るのはHPポーション、MPポーション、状態異常が回復するポーション、各種能力が一時的に上昇するポーション、投げると爆発するポーション、色々なスキルスクロール、武具強化アイテム、使用すると魔法が出て攻撃できるスクロール、そしてデカデカと載っていたのがHP、MPを全快、そして全ての状態異常を回復させるエリクサー、一時的に運が凄く上昇するお守り、全属性魔法や武芸百般という統合スキルと転移のスキルスクロールだ。
「じゃあ、早速引いていくか、」
「そうだね、」
ヘルシャフトが言ったせーの!の合図で俺たちはガチャを引いた。
ガチャの演出はこのゲームの名前にもあるユグドラシル(世界樹)が光るという演出で俺のは白、赤、青、金に光った。
ガチャで出たアイテムはこうだった。
「ガチャ産ポーションSR」
「握力強化スキルスクロール」
「謎の草」
「謎の指輪」
「STRポーション」
「手裏剣」
「爆発ポーションN」
「マナポーションR」
「全属性魔法スキルスクロール」
「謎の鉱石」
お、ポーション類は嬉しいな、しかもHP、MPポーションは使用期限が無いのか、流石ガチャ産のポーションだな、スキルスクロールは握力強化と全属性魔法だ、握力強化はともかく、全属性魔法は嬉しいな、いずれは取りたいと思っていたけど、統合スキルは出にくいと思うし、今回は運が良いみたいだ。
謎の~~は鑑定するまで何か分からないみたいだ。
「どうだった?僕はね~良いのが当たったよ」
「俺も良かったぞ」
「私も良いのが当たりました。」
聞くとヘルシャフトは一定時間透明になる透明化のスキルスクロール、シュウは腕力強化の上位互換である腕力強化(極)のスキルスクロールエリクサーが当たったらしい。
お前ら…運良すぎだろ、
「それで?ユウヤは何がでたの?」
「俺は握力強化と全属性魔法のスキルスクロール、それと手裏剣とポーション類だったぞ、後謎の鉱石やら草やら指輪が当たった」
「お~全属性魔法は凄いじゃん!それに手裏剣とか、私も欲しい!」
「謎の鉱石は私も出ましたよ」
「俺は手裏剣は使わんし、ヘルシャフトにやるよ、」
「そんな、悪いよ」
「いいから」
俺は強引にヘルシャフトに手裏剣を渡した後、俺たちは少し話してから解散した。
誤字の修正をしました。
「ユウナ」→「ユウヤ」