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No.140~ダンジョン解放前イベント14

俺は今回のレイドボスであるロードオブバンパイアの攻撃を警戒する。


「まぁ、そう警戒するな、我も長年に渡る封印から解かれたばかりだからな、少し話をしようではないか」


話をしよう?現状ロードオブバンパイアから殺気や敵意は感じないがここはコロシアムとしてモンスターと戦うステージだぞ、あれか、話が終わったら戦闘になる奴だな。


俺が考えている間にもロードオブバンパイアは自分の話をし始めた。


「我は吸血鬼の王族としてこの世に生を受けた。

当然民を率いる王の子として王族として相応しい様に育てられた」


まぁ産まれた瞬間から王様になることを決められている様なもんだもんな。


「幼少期からの礼儀作法や帝王学、剣術から槍術と様々な習い事を受け、皆の王に相応しい様に成長するためにな」


成る程、良くある展開だな、この場合ストレスがどんどん溜まっていって最後に爆発するパターンたな。


「まぁ実際、習い事は辛い事も有ったが強くなる事は楽しかったし、なによりもかわいい婚約者が居たから不満は1つも無かったがな」


全然予想と違うんだな、まぁ科学が発達してないから他に遊ぶものが無いっていうのも有るんだろうけどな。


「そして婚約者と愛を育みつつ皆の王に相応しい様にと日々を過ごしてきた俺は256歳の時に王になった」


256歳…人間の年に換算したら何歳位なんだろう。


吸血鬼という長命の種族だから成人として扱われる年も人間と違うんだろう。


「まぁ俺が王位を即位した理由が親父が隠居して母さんとゆっくり過ごしたいって言ったからなのだがな」


ロードオブバンパイアは笑って話す。


「我が王になってから200年位は妻とイチャイチャしつつ、民が幸せに日々を過ごせる様に行動して居たのだがここで1つの問題が発生した」


何か事件でも有ったのか?


「それは他種族間での大きな戦争だった、我たちは色んな者を殺したし、逆に殺された、そして最後に、妻と少なくなってしまった民を逃がし、我1人で攻めてくる軍勢に対して殿を務めたわけだ」


それで何らかの方法で封印されたって訳か…なんだか壮絶な人生を過ごしてきたんだな。


「それで、我は吸血鬼の中でも規格外だったみたいでな、銀の杭で心臓を貫かれても死ななかったし、頭を吹っ飛ばされても死ななかった。

なので我は今まで封印されていたという訳だ」


ロードオブバンパイアは明るく自分の人生を語って居たが様々な考えや苦難が有ったのだろう。


「奥さんや国民がどうなったかは気にならないのか?」


俺はそう尋ねる


「まぁ気にならんと言ったら嘘になるが…封印されてからどの位経ったかも判らんからな」


そういうとロードオブバンパイアは俺に話すよう促してくる。


俺は邪神によって世界が崩壊することや、神様に頼まれて邪神討伐に向けて行動している事を話す。


「ふむ、成る程、いつの間にかそんなことになっていたのか、よし、貴様、名前をなんと言う」


名前を聞かれたので答える


「ユウヤだ、そっちは?」


「我は吸血鬼帝国第4第国王、アルカード4世、個人名はアルンだ」


アルンか、王族だと個人名より肩書きの方をなのるんだ…しかも吸血鬼の国の4代って何年ぐらい続いた国なんだろう?


「決めたぞ!ユウヤ」


いきなりアルンが大きい声をだす。


「決めたってなにを」


「吸血鬼は爵位が高くなる毎に強くなっているのはわかるだろう?」


「ああ、それは知ってるぞ」


「だが、我は王族の中でも特殊なケースでな、とある方法を除いて死ぬことは出来ないのだ。」


頭を吹っ飛ばされても死ななかったっていうのはその死ぬ事ができる方法じゃ無かったからだったんだ。


「我が死ぬ方法、その方法とは我の力の全てを他人に譲渡する事なのだ。

妻や子供も死んでいるだろうから今の我は生きている意味が無い、だが死ねば妻や子供に会う事ができる、となれば我は我の力を渡すに値する者を探そうと思っていたのだよ」


「だが、ここには邪神を倒し、世界を救うという使命を背負っている者が居ると言うではないか、しかも性格も良さそうに見えるしな」


「へぇ~って!俺!?」


俺は驚いて叫んでしまう。


「俺?って貴様しかいないではないか、頼む、妻に会う方法はこれしか無いのだ」


アルンは俺に向かって頭を下げる。


(奥さんや子供と会うために死にたい…か俺には判らないけど、アルンが奥さんを本当に愛してるのだけは分かる)


「分かった、受けるよ」


「そうか!ありがとう!」


受けると答えるとアルンは直ぐに礼をいってきた。


「それで?力を譲渡するってどうすれば良いんだ?」


「ん?それはだな…フン!」


俺が力の譲渡の仕方を質問するとアルンはいきなり自分の心臓に腕を突き刺し、何かを掴んで取り出した。


アルンの手には赤黒く、小さい玉みたいのが握られている。


「さて、ユウヤ、これを…食え」


「へ?」

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