No.8~運営の願い
「へぇ~皆!こっち来てくれ」
一人の男が大きい声で呼ぶちなみに此処はユグドラシルオンラインの運営本部だ。
すると数人の男女が来て、男のモニターを見る。
「ほぉ、これは」
「この子凄いじゃない」
「フッ、初戦闘でラビットを一撃で倒すとは、」
「しかも一回一回避ける毎に避ける動きが小さくなってるぞ」
「この子スッゴク面白いね!」
二時間後
運営スタッフはユウヤの事で持ちきりだ。
一撃でラビットを倒すだけでなく初期装備を人並みかそれ以上に扱い、なおかつ二時間もモンスターと戦っていて、精神的に疲れた様子もないのだ。
「おい!例の奴がやっぱりユニーク種族になったぞ!!」
ユニーク種族、つまりユグドラシルオンラインで一人しかなる事のできない種族。
ユウヤは竜人のレアだと思っているが龍人は7つあるユニーク種族の一つでユニーク種族には専用のワールドクエストも作られる事が既に決定しているユニーク種族である。
因みにユニーク種族は
・龍人
・エルダードワーフ
・エルダーエルフ
・天使
・堕天使
・吸血鬼(真祖)
・九尾の狐
でそれぞれゲームバランスが崩れる位のチート種族だ。
まずは龍人、レア種族である竜人が種族進化すると龍人になるとユウヤは考えていたが、竜人の最終種族名は神竜種、龍人は運営が予定しているワールドクエストをクリアすると龍神という種族になる。
後半になるにつれレベルが上がりにくくなるが、すべての能力がゲーム内トップクラスになる。ユグドラシルオンライン内の伝承によると過去に世界を滅ぼそうとした龍神がいたのだが、龍神を倒したのは他のユニーク種族が全員協力してやっと倒すことが出来たらしい。
エルダードワーフは装備を作るとにおいてはどの種族も勝つ事はできない。
エルダーエルフは魔法攻撃力と魔法防御力が全種族中トップクラスで龍神にも劣らない、筋力、物理防御力も大幅に上がる。
天使は全種族内で最高の補助魔法と回復魔法を使う。
その効果は種族補正だけで2~3倍だ。
堕天使は天使の逆で最高のデバッファー、終盤になるとステータスを半分以下にする魔法を覚える。
吸血鬼(真祖)は自然治癒力が凄く他の種族の3~4倍の速さで回復し、日中のバッドステータスもなく、回数は限られているが死んだとき復活することができる。
九尾の狐は通常時は妖術や幻術を使い敵を翻弄しながら戦う。
デメリットはあるが尻尾の数を増やす事でステータスが増大したり尻尾の数、つまり9人まで分身をすることができる。
とまぁレベルが上がるとユニーク種族一人で国なんかは滅ぼせる位に強くなるのだ。
ユニーク種族になるための条件は一つ、英雄になる可能性がある者だ。
普通、英雄になる可能性がある者など分かる筈も無いのだがとある人物の協力の元、調べる事が出来るようになった。
龍人以外のワールドクエストの報酬はエルダードワーフは物を制作する事に補正がつく道具。
エルダーエルフは魔法攻撃力に補正がつく杖。
天使は回復魔法と補助魔法に補正がつくロザリオ。
堕天使は妨害魔法に補正がつく逆さ十字の首飾り。
吸血鬼真祖は復活回数を増やすアクセサリー。
九尾の狐は尻尾を増やした時のデメリットを緩和する狐のお面。
普通こんなに特定の人物をサポートするのは駄目なのだが運営はそれをしなければならなかった。
ユグドラシルオンライン運営達は願う。
ユウヤたちユニーク種族の人達が来るべき災厄を押し退ける事が出来る様に成長することを。
そして災厄に向けて出来るだけユグドラシルオンラインをプレイする人達をサポートすると