表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Third Season〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/136

初夏


「俺の田舎に来たいなんて、

 君も物好きだよね」


 浴衣姿で夜のあぜ道を並び歩く。

 この空気と匂いは

 あの頃と少しも変わらない。


 その感覚を全身で味わうように、

 君は大きく息を吸い込んだ。


「好きな人がどんな所で育ったのか。

 知りたいと思うのは変?」


「分かち合いたい、共有したい、

 そういう気持ちは凄くわかるよ」


「だったら素直に喜んでよ」


 俺の実家で、

 幼少時代の写真を目にした彼女。


 自分が知らない俺の過去を

 必死に心へ焼き付ける横顔が

 とても綺麗に映った。


「俺が見せたかったのはこれ」


 田んぼのあちこちで瞬く蛍の群れ。


「綺麗。光の絨毯みたい」


 蛍にはしゃぎ、君はくるりと回る。


 その瞬間、過去の風景と現実の君が

 ひとつに混ざり合った。


角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。

四月の応募作品です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
[一言] 自分のルーツともいえる場所に、今を共に歩む人がいること(またその逆も)の感慨はひとしおですね。 「俺が見せたかったのはこれ」と言って、彼女を大切な場所へ連れていく場面が美しかったです。大好…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ