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ダイヤモンド 〜儲け話編〜
儲け話に乗らないか?
甘い言葉に誘われて、
そこから全てが始まった。
帆を広げ、意気揚々と船に乗る。
風を受け、順風満帆のはずだった。
あの夜に、船が転覆するまでは。
「出港から、たった二週間だぞ」
海へ投げ出され、
必死に掴んだ木片。
無残に崩れた船体は、
どす黒い波に飲まれて消え失せた。
呆れ顔で見送ってくれた
友人の顔が頭をよぎる。
「無人島のダイヤモンド鉱山? 嘘だろ」
夢を見た俺が馬鹿だったのか。
富と名声を求めることは
愚かなことなのか。
ようやく運が向いてきた。
そう思っていたはずなのに、
全ては手の中から零れ落ちた。
このままどこへ向かうのだろう。
抗うことはせず、ただ身を任せればいい。
後は自然と、あるべき所へ流れ着く。
角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。
二月の応募作品です。





