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イルミネーション
瞬いては消えるイルミネーション。
色とりどりの光を見ていた。
この季節だけ街を彩る、
幻想的な光景が好きだ。
それはまるで、人の一生のよう。
意識を闇へ溶け込ませながら、
そんなふうに思った。
何のために生まれてきたのかなんて、
答えのない問答はいらない。
この光のように、
誰もが輝く瞬間を待っているのではないか。
私が考えるのはそういうことだ。
だとしたら、私が輝くのはいつだろう。
まだ、その瞬間は来ていない。
私はもっと輝ける。
光を放ち続ける存在でありたい。
長い歴史のこの一コマへ焼き付けるよう、
もっともっと輝くのだ。
その輝きが、例え一瞬の出番だとしても、
同じ時代に生きる人たちと
素晴らしい時間を分かち合いたいと願う。
角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。
十月の応募作品です。





