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はじまりか、終わりか
四角いマス目だけが整然と並んだ、
真っ白な画面が目の前にある。
これははじまりだろうか。
いや、全てが終わった後なのか。
進むことも、止まることも自由。
誰に何を言われるでもない。
自分の道は自分で決める。
『あきらめたら
そこで試合終了ですよ』
有名過ぎて、
格言のようになってしまった
あのセリフが頭を過ぎる。
「そんなことはわかってるんだよ」
宝くじも、買わなければ当たらない。
言葉を紡がなければ、小説は生まれない。
あきらめたわけではないけれど、
どこへ向かっているのか
わからなくなる時がある。
紡いだ物語。
それが現実と電子の世界へ広がって、
ひとりでも多くの心と
繋がることができたなら。
その時ようやく、
俺は満たされるだろう。





