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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Second Season〜

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金木犀


 どれだけ時が流れようと、

 甘く強いこの香りは

 変わることがない。


 君が好きだった金木犀。

 その季節が今年もやってきた。


 秋晴れの下、

 紅葉に色付いた街を散策するけれど、

 なんだかそれも物足りない。


 やはり、独りは寂しい。


 舞い散るイチョウの葉を追いかけていた

 柴犬のキン。あの子が逝ってから、

 もう何年が過ぎただろう。


 両手一杯にどんぐりの実を拾い、

 この道を一緒に歩いた息子も独立。

 もう、私の助けはいらない。


 そんな過去を想いながら、

 他愛ない話を繰り返した君がいない。


 その事実が胸を締め付け、

 夜な夜な寂しさに襲われる。


 足下へ落ちた枯れ葉に、

 自分が重なる。


 私の記憶に生きる君も、

 やがて色を失うだろうか。

 それが、たまらなく恐い。


角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。

九月の応募作品です。

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