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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Second Season〜

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食欲


 アキラは、突如として現れた男の子を

 不思議そうに見ていた。


 男の子の手には金色の林檎。

 なぜか、そこから目を離せない。


「美味しそうな林檎だね」


 アキラの言葉に、

 男の子は笑みを零した。


「とても大きくて、甘いんだ。

 ひとつしかないから、

 お兄さんにはあげないよ」


「取ったりしないよ」


 男の子は林檎へかぶりつく。


 新鮮な果肉を抉り取る

 軽快な音が響いた。


 林檎は見る間に形を失う。


 それを眺めるアキラはなぜか、

 言いようのない喪失感を覚えていた。


「お兄さん。今、どんな気分?

 欲を食べられちゃった人って、

 どうなっちゃうのかな?」


 男の子は消え、

 無気力になったアキラは

 自室へ引き籠もってしまった。


 まるで別人だ。

 そんな噂だけが残された。

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