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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Second Season〜

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梅雨


 湿っぽい空気が、

 見えない帯のように体へ纏わり付く。

 この雰囲気はどうにも苦手だ。


 傘を打ち続ける梅雨の長雨。

 それが、うつむくおまえの頬を濡らす

 涙と重なった。


 幼なじみは公園のベンチへ腰掛けたまま、

 置物のように動かない。


 そんな空気に耐えかねて、

 弾かれるように口を開いた。


「いつまでそうしてるつもりだよ?」


「あんたにわかるわけないでしょ。

 私がどれだけ彼を好きだったか」


「あぁ。わからねぇし、わかりたくもねぇ」


 あの男を思い浮かべて、

 吐き捨てるように言い放った。


「でもな。俺がどれだけおまえを好きか。

 それだって、おまえにはわからねぇだろ」


 驚いた目から逃げるように顔を上げると、

 曇天(どんてん)の隙間には、僅かな光が覗いていた。


角掛みなみ様が展開されている「サカイメの書架」。

四月の応募作品です。

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