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愛の魔法
一枚の書類。そこへ素早くペンを走らせる。
紙切れで始まって、紙切れで終わる関係。
それは、私が好きな夢の国への入場券に似ている。
疲れた体と心。口元には苦笑。
ふたりの夢の時間。
それは愛の魔法が効果を失ったように、
呆気ないほど簡単に潰えた。
お揃いの指輪を身に着けて、夢の国の中で、
夫婦という役割を演じていたに過ぎないのだろう。
最初は、糸のほつれを見つけただけだった。
何の気なしにそれを摘まんだ途端、
するすると滑るようにそれは解けた。
気付けば綻びは、
取り返しが付かないほど大きくなっていた。
急速に惹かれて始まった恋は、
不倫という愛のもつれで終わった。
それはまるで、
ジェットコースターのような結婚生活だった。





