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可能性は果てしない
大雨、温暖化、ハリケーン。
異常気象だと、
テレビのアナウンサーは告げる。
環境破壊や汚染が進み、
地球は病んでしまった。
救いの手を伸ばすには、
大勢の力が必要だ。
昼寝をする子どもを眺め、
そんなことを考えた。
「どうしたの? 珍しく真剣な顔して」
君はいつもの穏やかな声。
「僕はいつも真剣だよ」
「あら、そう。
で、晩御飯の献立は決まった?」
「あのな。
この子と地球の未来が心配なんだ」
「スケールの大きな子守歌ね。
あなたも眠ってしまいそう」
「こんな時代に産まれて、幸せなのかな?」
「みんなが産み控えたら人類滅亡よ。
信じたら? 可能性は果てしないって」
いつの時代も、母は偉大だ。
君は微笑みをたたえ
テーブルの苗木を優しく撫でる。





