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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Second Season〜

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桜吹雪


 何気なく立ち寄った公園で、

 桜吹雪の美しさに目を奪われた。


 隣を歩く彼女は夕空を見上げ、

 儚くも美しい光景に目を細める。


「綺麗ね……」


「そうだね」


 柔らかく微笑む彼女とは裏腹に、

 僕の胸の奥へ広がるのは苦み。


 散りゆく桜に

 傷みがあるのだとしたら、

 それはきっと、

 あの子に通ずるものがあるだろう。


 別れを告げた時に見せた、

 悲しみに暮れた顔が蘇る。


 花びらを追うように、

 彼女の頬を伝い落ちた一筋の涙。


 僕はそれに気付かぬ振りで、

 そっと背を向けた最低な男。


 桜を見る度、今もまだ、

 あの涙を思い出してしまう。


 この桜吹雪は、

 僕の知らない所で流された

 彼女の涙だとしても、

 受け止めることなどできない。


 どうかせめて、

 幸せでいてと願うだけ。

角掛みなみ様が展開されている「サカイメの書架」。

二月の応募作品です。

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