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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
一月の物語

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32/136

白銀の世界へ、一輪の薔薇を


彼女のマンションを出ると、

空には氷の華が舞い、一面の銀世界。

道理どうりで寒いわけだ。


新雪へ踏み込む瞬間が好きだ。

けがれのない神聖な場所へ、

一番に足跡を残す快感。


それは、君と初めて

体を重ねた瞬間に似ている。


薄氷はくひょうの上を歩くような辿々(たどたど)しさで求め合い、

痛みに耐える君の中へ押し入った。


愛する人へ一番に繋がったという喜悦きえつは、

僕の心へ強い独占欲を植え付けた。


「それなのに……」


君は僕を裏切った。

僕しか触れる事が許されないその体を

知らない男へ差し出した。


手にしたナイフの刃先から、

こぼれる一滴ひとしずくの鮮血。


それはまるで、

白銀の世界へ添えられた一輪の薔薇。


「君は永遠に僕だけのもの」


僕と君だけを残して、

全て凍り付いてしまえばいい。

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