表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
春センチメンタル企画 参加作品

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/136

203号室


「また、この季節が来たのか……」


 桜舞い散る桃色の雨。

 春の香りに包まれながら、

 あの部屋からも

 同じ景色を見ていたことを思い出す。


 桜並木に隠れるように、

 その二階建てのアパートは建っていた。


 新しい街、新しい生活。

 社会人としての旅立ちをそこで迎えた。

 会社と部屋を往復するだけの毎日だったけれど、

 振り返ればあの日々も、

 今の僕を形作った大事な要素だ。


 そんな生活の中、

 同棲を解消し、離れていった女性もいた。

 彼女も毎年、あの部屋から見る桜を

 楽しみにしていたっけ。


 桜を見る度、こうして僕を苦しめ続ける、

 愛しい人の影。


 もう会うことはないけれど、

 元気にしているだろうか。


 僕の心の一部は今も、

 あの部屋に取り残されたままでいる。

銘尾友朗さん主催「春センチメンタル企画」参加作品です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
[一言] かつて過ごした部屋、桜を一緒に眺めた人との記憶は、忘れ難いものですね。 読み終えた後、そういえばタイトルが「203号室」だったことを思い出して、もう一回切なくなりました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ