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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
十一月の物語

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夢と君


 空から舞い落ちて来たのは、一枚の羽根。

 まるで、天使の落とし物のようだ。


「人も、空を飛べたら素敵なのにね」


 あの日に見た、君の笑顔が甦る。


「ひょっとしたら、

 飛び方を忘れてしまっただけなのかも」


 おどけた調子で答えると、

 君は目を輝かせて感心していたっけ。


 あれから、どれほどの年月が流れただろう。

 いつまでも純心ではいられない。


 夢と君を失ったあの日、

 僕は心の中の羽根さえも無くした。


 高く、遠く、どこまでも、

 行けないことは分かっている。

 手品にタネがあるように、

 物事には、裏も限度もきっとある。


 掌へ収まった羽根を強く握ると、

 指先へ伝うのは

 羽軸の折れる生々しい感触。


 そうして耳には、

 夢と現実の境界を分ける音が聞こえた。

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