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染まる
視界一面へ広がるのは
胸を焦がすような朱。
それが瞳を通じて
心へ鮮烈に焼き付いた。
四季折々の風情を楽しむ。
君と出会う以前の僕は
そんなことに興味はなかったのに。
僕の目に映る景色が、世界が、
劇的な変化を迎えたんだ。
こうして、心動かされる日々。
僕が君の色へ染まるのか。
君が僕の色へ染まるのか。
季節の巡りと共に
君の温もりを側で感じよう。
ゆっくりと時間をかけて
もっと君のことを知りたい。
解け合って
混ざり合って
やがてひとつになれたなら。
「また来年も、ここで紅葉を見よう」
隣に立つ彼女へ微笑みかける。
「絶対に来ようね」
柔らかな笑顔を返してくれる君。
そっと口づけを交わせば、
美しい顔へ
紅葉のような紅が差す。





