表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
春センチメンタル企画 参加作品

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/136

電話ボックス


 小春日和に誘われて、

 コートを脱いだ街並みを歩いた時だ。


 ある変化に足が止まる。


 あそこには、良く利用していた

 電話ボックスがあったのに。


 携帯電話が無かった頃、

 言葉と心を通わせる

 キューピットになってくれたのは彼だった。


 日々の他愛ないことを話す僕を包み、

 聞き耳を立てながらも口の堅かったあいつ。

 甘い言葉からデートの予定に至るまで、

 事細かに把握していたはずだ。


 あいつが繋いだ彼女との待ち合わせは、

 いつも僕が待つ側。


 けれどその間には、

 話すべきあれこれに想像を巡らせ、

 退屈だなんて感じる暇もなくて。


 そうして彼女を迎え、こう答えるんだ。


「僕も、今来たところだよ」


 あいつは次の縁を結ぶため、

 別の街へ行ったに違いない。

銘尾友朗さん主催「春センチメンタル企画」参加作品です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
[一言] 暖かい風をひと足先に感じながら、この季節の出会いと別れにキュンとする作品でした。 最近は「彼」を見かける機会がめっきり減りましたね。小銭、テレカ、順番待ち、電話帳の落書き・・・・・・色々と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ