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祈り
顔も知らないあなたのために、
今、僕が出来ることは何か。
言葉と文字だけを通じて、
偶然にも繋がった僕等の世界。
だからこそ僕は、
気丈に振る舞うあなたへ向けて、
最後まで言葉を贈ることを選ぶよ。
僕は神を信じない。
道を切り開くのはいつだって、
自分の力だと信じているから。
神へ祈るくらいなら、
僕はあなたのために、あなたを想って、
心からの祈りを捧げ続けるだろう。
自分よりも若い命が失われる。
そんなニュースを見る度、
胸が締め付けられる年にもなった。
だからどうか、もう一度、
あなたが元気にこの場所へ
戻って来られますように。
どうか、あなたの未来にも、
この祈りが届きますように。
僕はそれだけを、ただ痛切に願う。





