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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Free Style〜

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123/136

蜃気楼のように

 うだるような暑さに耐えかね、

 コンビニで買ったアイスを囓った。


 目の前を、スーツ姿のサラリーマンが

 せわしなく行き交っている。


 そんな彼らを眺め、

 日中の公園でくつろぐ背徳感は格別だ。


「でもなぁ……」


 優雅に見えるこんな姿も、

 蜃気楼のように遠い幻だ。


 打ち上げ花火が散り咲くように、

 一瞬の煌めきにすぎない。


 あと数分もすれば、

 監獄のような社屋に戻るだけ。


 仕事の山が待ち受け、

 強制労働を強いられる社畜として、

 馬車馬のように働くのだ。


「このアイスみたいに、溶けてしまいたい」


 かき氷だったものは腹へ収まり、

 手元には、名残である棒だけが

 骨のように残されている。


「溶けているのは、俺の時間か」


 苦笑を浮かべ、監獄へ足を向ける。

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― 新着の感想 ―
[一言] 酷暑が続きますねー。諸事気を付けてしのいでいきましょー。
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