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二度と会えないわけでもないのに
君は卒業という節目を迎え、
この家からもついに巣立っていった。
みょうにがらんとしてしまった
この部屋の広さが、
僕の心の隙間を
現しているようにも思える。
心のボタンを掛け違えたような
ひどく落ち着きのない気持ちだ。
うれしさと誇らしさを感じるものの、
言い様のない寂しさが
それらの想いを飲み込んでゆく
思春期の自分がそうだったように、
父親という存在は鬱陶しいものだろうと、
過度の接触を避けてきた。
仕事に追われていたことも、
今となっては言い訳に過ぎない。
まだまだ伝えたい言葉はあるけれど、
今の君には早すぎるように思えたんだ。
もっと言葉を交わせばよかった。
二度と会えないわけでもないのに
ただただ、切なさが胸をしめつける。





