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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Free Style〜

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裸の王様


 夏休みのある学生が羨ましい。


 社会人になってから、その想いは年々強くなる。


 窓から見える積乱雲は、

 俺の恨みを具現化しているのかも。


 くだらない思考に苦笑が漏れた。


 労働基準法で過労死と定められた線を軽々と超え、

 日々の激務に耐えている。


 他にやりたいこともなく、

 逃げることもできない現状に嫌気が差す。


 目が覚めたら六十五歳。

 現実逃避でそんな妄想に囚われてしまう。


 よそ様の倍は稼働している。

 数字だけ見れば定年退職には十分だ。


 ため息をついて、ソファに体を沈める。


 今年の夏期休暇もあっという間だ。

 口の中へ放り込んだ砂糖菓子のように、

 時間が溶けてゆく。


 今の俺は、海岸に作った砂の城へ籠城する裸の王様だ。


「仕事したくねぇ」

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― 新着の感想 ―
[一言] 若き日に労働基準法や年金制度を知っておいて損はないと、学生時代の自分に教えてあげたくなりました(笑) ヒロさんは今日からお仕事でしょうか。大人にも長い夏休みが欲しいですね。気が済むまでぐう…
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