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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Third Season〜

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今年の終わりに


「今年も、あっという間に終わるな」


 師走が迫ったある日。

 悪友はスマホの画面を見ながら、

 気怠げにつぶやいた。


「ゲームの中ではレベルが上がるけどさ。

 現実の俺らはどうよ?

 これをやったぜ、みたいな達成感ってある?」


「ゲーム十本クリアした」


「そういうことじゃねぇから」


 苦笑いする悪友の横顔を眺める。


「そもそもさ、漫然と生きてるんじゃないの?

 ゲームと同じだよ。

 このアイテムを手に入れるっていう短期目標と、

 いつまでに魔王を倒すっていう長期目標。

 計画性が大事なんだよ」


「うっわ。人のこと言えんの?」


「一緒にするなよ。

 俺、モデルのあの子と付き合うことになったから。

 今年一番の成果だと思わない?」


「レベル、爆上がりじゃん」

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― 新着の感想 ―
[一言] 若いなぁと思うと同時に、こうした会話を聞くと逃げ出したくなるのはどうしてだろうと、ふと考えてしまいました。 ゲーム好きの発想だと、ゲームの中に人生を見ることがありますね。来年は心置きなくゲ…
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