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電子世界の誕生日
「このフォロワーさん
今日が誕生日なんだ!」
スマホの画面に広がる
SNSアプリ。
電子世界へ潜った私は、
お気に入りのユーザーへ
お祝いメッセージを送った。
「あれ?」
数週間後。
その日も同じように
SNSアプリの画面を見ていた私は、
思わず声を上げていた。
先日、誕生日だと言っていたはずの
フォロワーさんが、
今日も誕生日だと言っている。
「どういうこと?」
いぶかしく思った私は、
たまらずメッセージを送った。
『ごめんなさい。
みんながお祝いしてくれるのが嬉しくて。
調子に乗って、
誕生日を増やしちゃいました。
テヘ☆』
「テヘ、じゃねーし!」
頭にきたので、
これ以上のやり取りはしない。
そこまで必死に気を引いても
私なら虚しいだけだ。
角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。
八月の応募作品です。
〜お題「誕生日」〜





