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300文字の物語  作者: 帆ノ風ヒロ / Honoka Hiro
300文字の物語 〜Third Season〜

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100/136

いつでも空から

「ポケットの中には〜

 百円玉ひとつ〜」


 夜道を歩くひとりの男。

 懐かしい歌を口ずさみ、

 汚れたズボンを叩いた。


 だが、男のポケットには

 本当に一枚の硬貨があるだけ。


「叩いただけで増えるなら

 苦労はしないって」


 生活は困窮を極めていた。

 住む家も、食べる物もない。


「これしか……ない」


 ゴミ捨て場で拾った包丁を手に、

 コンビニの明かりを睨んだ。


 人気のない深夜だ。

 やるなら今しかない。


 男が空を見上げると、

 満天の星が飛び込んできた。


『人様に迷惑をかける生き方はダメよ。

 私はいつでも空から見ているから』


 亡くなった母の顔が過ぎった。


 ビスケットが増えるという

 ふしぎなポケットの歌。

 その歌も、母が好きな曲だった。


 男は強盗を思い留まった。


角掛みなみ様がYou Tubeにて展開されている「サカイメの書架」。

八月の応募作品です。

〜お題「星」〜

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寂しくも切ない話ですね。100円。それでも思い留まることが出来るとは、母親は偉大ですね。きっと未来は続いていくと思いました。 そして、100話到達おめでとうございます!
[一言] 大切な人の想いは、ずっと心の中で生きているものですね。 主人公の百円玉がいつか、百の幸せになることを願わずにはいられません。 連載百作目、おめでとうございます! これからも頑張ってください…
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