なんと無残な肉団子
冗長すぎるかなとおもいカットしたら、ものすごく短くなりました。
出来れば本日中にもう一話上げれたらナと思います。
あとがきですが、あまり気にしないで下さい。くれくれというよりポイントというお題を使ったワンシーン的なネタ書いてるだけだったりします。
余韻の邪魔だと思われるなら、止めようかなと思いますです。
でも評価はうれしいです。
肉壁を伝い、ゆっくりと屋根の上から降りていく。
「っひ!」
――ドサッ
「っく……はー、……はー、……はー」
何度か粘液で手を滑らせかけた挙句に中腹あたりで死肉が崩れ完全に落下し冷や汗をかいたが、下も肉壁だったので怪我することもなく結果的に早く降りることが出来た。
「はぁ……はぁ……」
細い通路を抜けるだけで、緊張から息切れを起こす。
壁際に背を預け、そこから先の広場を覗き込んだ。
数メートル先から、辺り一面ドロドロの血の沼が広がっている。
その手前には、無数の手が地面から突き出し、まるで花のように咲いていた。
赤い霧で染められたその風景は、世界の終わりにしか見えない。
「肉団子……肉団子は……?」
そんな風景に見とれることなんてなく、むしろ見たくない一心で標的の肉団子を探した。
たしか、上から見た感じだと池のほとりの左手側にあったはずだ。
「……あった」
約10メートルくらい先だろうか。
人間百足の尻が見え、その奥に肉団子が転がっている。
百足が、肉団子を動かしたのかもしれない。
少しだけ上から見た時より位置が変わっている。
沼の水に半分ほど浸っていた。
近いようで、遠い。
たどり着いたのは、細道から2メートルほど先にあった沼。
寝そべる俺の目の前で、赤い水がさざ波に揺れていた。
その中に混じる、打ち寄せる肉片やヘドロの塊に俺の心がこれ以上沼に近づくなと悲鳴を上げる。
血のような赤い液体ではない。これは、血だ。
強烈な匂いが、鼻を衝く。
俺は、波音が立たないようにその沼へと体をそっと沈めた。
これしか、先に進む方法が思いつかなかった。
生ぬるいような、ドロドロとした液体に体を包まれることで今まで感じたことが無いほどの嫌悪感に体が震える。
それでも俺は、液体に顔の半分まで沈めてワニのように液体の中へと姿を隠した。
幸い、沼の中に何か化物が潜んでいるという事もなく、姿を隠したままゆっくりと波音の立たないように移動を続けることが出来た。
「あぁぁう……」
「あ……あ……あ……あ……」
嘘だろ……。生きてやがる。
沼を進むにつれて、うめき声のようなものが聞こえだんだんその音は大きくなっていった。
その声の主は、肉団子へと変えられた人々。
近づいてわかる。
この人たちは、ただの人間だ。
肉団子の大きさは、腰ほどの水かさの池にあるにもかかわらず、そこからさらに2メートルほどは浸かり切れていない部分が出ているほど大きい。
関節の向きなど無視され無理やり絡み合うようにして丸められた目の前の男は、何故か生きている。
だが、どう見ても手遅れだ。
ただ生きているというだけ。
周囲にいる他の人たちも同様だった。
胸糞悪い。
くそ、手から血の気が失せて冷たい。
その後、何も考えないように務めて俺のバッグを探すしかなかった。
……あった!!
ようやく見つけたバッグは、水面からかなり上の方に肉団子へ半分めり込むようにしてぶら下がっていた。
無理だ、手が届かない。
こっそりと手を伸ばしてみるが、体を沈めている状況じゃまるで届かない。
「あ”……あ”ぁ……っ」
「ん――っ!!」
必死に伸ばしていた手を、肉団子から伸びている手が掴み心臓が止まりかけた。
口から声にならない悲鳴が漏れる。
だ、大丈夫。気づかれてないっ。
どうやら反射的に掴まれただけらしい。
冷や汗をかきながら、意を決してゆっくりと立ち上がる。
大丈夫、百足は肉団子の向こう側に居るし、遠くに居る化け物からは人間団子に紛れてよほど注意しないと俺だとわからないはずだ。
そうだ、少しくらい冒険しなくては得られないものもある。
大丈夫……大丈夫……大丈……夫……
立ち上がり、必死に伸ばしてバッグへとかかった手が、止まる。
違和感を感じた。
周囲に、影が差している。
頭上に、何かの気配があった。
冷や汗をかきながら、頭上の存在を刺激しないようにゆっくりと視線を向ける。
そこには、規則正しく無数の腕の生える、肉の柱が立っていた。
そんな……うそだろ?
人間百足が、上半身を起こすようにして縦に垂直に立っている。
死角だと思っていた場所は、奴から完全に丸見えだった。
お客様、ポイントがたまっておりますがお使いになられますか?
あ、はい。じゃあこれお願いします。
すみません、こちらの商品の購入にはポイントが足りないようです。
(´゜д゜`)ドユコト