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転生したけど恋が出来ない  作者: Kei
転生初期、幼少期無自覚編
9/20

過去を思い返したエルシュタイン(10歳)の独白

こうして…私は記憶融合後間もなく、前世の記憶にあったエルシュタインというキャラクターの生い立ちを根底からくつがえした。


私にもし前世の記憶が無ければと思うと、私であって私ではないエルシュタインを思い出しては奇声を上げたくなったが、その度に今の私は違うと自分を慰めている。


そしてオリス様と従兄姉たちの誤解や私に対する認識、つまりは随身教育を受けていない子どもへの接し方が分からず、弱い私を怖がらせないように見守っているつもりだった事や(私には見定められているのかと思うほどの威圧だった)、それに怖がる私を見て嫌われたと思い最低限の接触と会話にした事(逆に私は歓迎されてないと思った訳だが…)、弱い私を小動物のように思っているらしい事等々が分かり、お互いに歩み寄れるようになった。


それにより同じ弱い子どものアリーシャは近寄らずに見守り愛でる対象なのに対し私は

『随身に憧れる子ども=自分たちの真似をしたがる小動物!=可愛がっても…良いよね?』

という図式が出来たらしい事が判明し、誤解が解けた途端に、まさに猫可愛がりというような状態になってしまった。

幸いな事に強くなりたいという私の我が儘(・ ・ ・)も聞いてくれるようになったので、あの日から毎日1時間魔法の特訓という習慣ができたのは幸いだった。

特訓の後に1時間のお茶会という名の愛玩タイムもできたが………まあそれは置いておこう。


特訓は危惧した甘やかしが全くない、かなりのスパルタ教育だった。

それについて行けた事と、1ヶ月経たない内に普通の魔導師レベルになったのはルーテルバーク家の血の恩恵だろう。


ちなみに普通の魔導師レベルとはルーテルバーク家基準だと物心付いた子どもレベルだったりするが、それを聞いた5歳の私は規格外家系の凄まじさを垣間見たと思った。


実際はそこから更に規格外の成長を遂げ、同時進行で武術その他様々な事を身に付ける教育が随身教育の随意だったが、当時の私は知る由も無かったのだ。




思い返すと私は全く随身では無かったが、今は堂々と随身と名乗る許可を国王陛下にもオリス様にも貰っているので問題無いだろう。

問題無いはずだ。

過程がどうであれ結果として随身になったなら問題無いに決まっている。

例え従兄姉に比べて極端に弱くとも、国仕えの魔導師や騎士より強いのだからアルフレイドが成人するまでの間なら随身として不足は無い。

大丈夫なはずだ。


設定資料に寄れば学園に入ってからはアルフレイドを狙うものは全てエルシュタインが対処してきたから今の私にかかれば害虫駆除より優しい。

何故なら害虫は視覚の暴力が辛いが、不届きな生徒やそこらの刺客ならそれがないからだ。

だからアルフレイドが成人するまで随身と名乗っても問題無い。


何だか過去を思い返すと不安になってきた。

前世の記憶にいるエルシュタインが残念過ぎるせいだ。

そうに違いない。


これから学園に入るまでは特に大きな事件は無いはずだから、これ以上深く思い出すのは止めてこれからの事を考えるべきだ。


そうだ、母様とオリス様と従兄姉たちにとりあえず私の性について報告に行こう。

きっと何か良いアイデアが浮かぶはずだから…

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