表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/22

     エ ピ ロ ー グ

 ―――今日も暑いな……

いつもの通学路。早朝だというのに、太陽がジリジリと身体を照らす。

……蝉の声が耳障りだ。

僕はミドリと一緒にゆっくりと道を歩く。

「よっ!」

 後ろから肩を叩かれ、空気のように軽く挨拶をされた……南川だ。

僕は振り返ると、いつも通りの朝とは少し違っていた。

「えっ? ……南川、黒子の面どうしたの?」

「ん? ああ、今日は特別な日だからよぉ! イケメンが出せる! すげえだろ!」

 相変わらず話が飛躍しすぎだ……南川は黒子の面をかぶっていない。

事情を聞き出す為には、時間が要すると判断し、僕は藤宮を待つことにした。

「ミドリっち! おはだぜー! 今日もあっちぃなあ!うん、今日も安定した丸さだぜ」

〈南川、おはよ。顔、見えてる〉

「おうおう! オットコ前だろぉ? ヒヒヒヒ!」

 南川の不快な笑い声を聞きながら、僕は苦笑する。すると前方から、

「やっほーい! ミドリたん! ミドリたん!」

 駆けてきた少女はミドリに飛びつく……藤宮だ。藤宮も黒子の面をかぶってない。

「あー、つめた~い!気持ちいいっ!」

〈優子、おはよ。顔、見えてる。いいの?〉

「いいの、いいの! 今日は特別な日だしさ! 無礼講なんじゃよ!」

「ねえ、藤宮。なんで黒子の面かぶってないの?」

「あ……バカ二人いたの? 片山、どうせ忘れてんでしょ? 教えてあーげない!」

「なんだよ……いいよ、もう」

 僕はふくれっ面をし、ハンカチで額の汗を拭った。

〈優斗、抱きつくか〉

「あ、大丈夫。ミドリ、ありがとう」

 正直ミドリに抱きつきたいけど、藤宮がミドリに張り付いている。

二人で抱きついたら変だしね……。

登校途中、他の生徒たちは黒子の面をかぶっている。

一体何なんだ……特別な日って……。

「んじゃ、ミドリたん、片山、まったねー!」

「俺も行くわ。じゃな、優斗」

 校舎を走っていく二人を見て、僕はため息をついた。

……まあ、いいか。早く司令室へ行こう。冷房の効いた部屋でゆっくりしたいね。

司令室に着き、優斗はいつものようにドアノブを回した。

……あれ?なんで?……ガチャガチャと何度も回すも開く気配がない。

「ねえ! 開けてよ! ねえ!」

 部屋からの返事はない。ふと、壁の手書きであろう、矢印に気づく。

……なんだ? 矢印に沿って行けっての?

〈優斗、矢印、行くか?〉

「そうだね……司令室には入れないし、行ってみようか」

 矢印に沿って廊下や階段を歩いていく。すると、見慣れないドアの前にたどり着いた。

また、クロの仕業かな……勘弁してよ。

そっとドアを開けると―――


「「「「ハッピーバースディ!!片山優斗!!」」」」


 パパパパンとクラッカーが同時に鳴り、僕は唖然とし頭の中が真っ白になる。

「グハハハハ、優斗よ! 14歳の誕生日、めでたいのう!」

「……クロ! 一体何なのさ! 南川! 藤宮まで……!」

ドアの先は屋上で日差しが暑く、開放的な空間にDM軍が揃い、全員ニコニコと笑っていた。机の上には豪華そうな料理が沢山列んでいる。

「何言っとるんな。今日はお前の誕生日じゃろうが。8月8日は!」

「えっ? 僕の誕生日? そうなの?」

「うむ、今日は世界規模で、片山優斗、誕生記念祭が行われておる! 感謝せえ!」

 ―――なんだって!?

そこからが凄かった―――黒子軍の吹奏楽団演奏、イカロス空中の舞や、テレビ中継が入り、各国の著名人、有名人(総理や大統領含む)がお祝いしてくれるなど、まさに僕にとって地獄絵図だった。

一日中ひきつった笑顔を強いられ、日が暮れてもお祭りは続いていた。

「よし! オペ子! ダモスウェルを出せ!」

「了解。学校、隔壁開きます」

 学校が割れ、ダモスウェルが出現すると、クリスマス仕様の装飾が施されており、辺りはきらびやかなムードになる。

「おっしゃー!超連射花火を上げよ!」

「了解。花火打ち上げます」

 ものすごい轟音。夜空には綺麗な花火が彩れる。それが二時間ほど続いた。

終了―――午後8時、さすがに帰りたくなってきた。

「クロ……みんな、今日はありがとう。とても楽しかった。そろそろお開きにしない?」

 クロはおどけた顔をすると「何言いよるんな。日付が変わるまでやるで?」と答えた。

「もう十分だよ……そうだクロ、今から二人でブンドドでもしない?」

「ふむ……それではしょうがないの。祭りは終わりじゃ! DM軍、解散じゃあ!」


 ―――司令室で二人で遊ぶ。

「ぬりゃあ!これが超必殺技!シャオリュウケンじゃああああ!」

「うわっ! クロ! そんな事したら壊れるだろ!?」

 ガツン、ガツンと玩具をぶつけてくる。

そして―――僕は話を切り出した。

「ねえ、クロ……結局さ、4年しか進まなかったね」

「なんや…自分の誕生日忘れとるのに、そんな事覚えとるんか」

「うん、ぼんやりとね……あっ!ほら!壊れちゃったじゃないか!」

 僕は片腕が壊れた玩具をクロに見せつけた。

「なあに、壊れたもんは直せばええんじゃ」

 クロは玩具を手に取ると、満足気な顔をして言った―――

最後まで見ていただいた方感謝します。いかがだったでしょうか?

面白くなかったらごめんなさい。もっと精進して頑張っていきます。どうも、最後までお付き合いありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ