私の選んだ道だから
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「西……。」
あいつの様子が、だんだんと変わっていくのを感じる。迷いが消えたのか、それとも新たな決意を固めたのか。どちらにしても、あいつの心に何かが変わったことは確かだ。
「やっとか…」
少しだけ安堵の息をつく。俺たちが共に戦う理由が、もう明確になったんだろう。西がこれまで抱えていた迷いを乗り越えられるなら、俺も負けるわけにはいかない。西が新たな一歩を踏み出すなら、俺も最後まで西を支える。
「時に、矢矧だな…。」
矢矧が仕掛けてくる精神攻撃を、俺はひとつひとつ冷静に避けてきた。それでも、奴の圧力がどんどん強くなっているのを感じる。気を抜けば、すぐにでも全てを支配されてしまいそうだ。
「どうにかして、あいつを押し返さないと。」
西の勝利を信じるからこそ、俺がやらなければならないことがある。あいつが今、迷いを断ち切り戦おうとしているのなら、俺もそれに応えるべきだ。負けるわけにはいかない。
「西、お前に任せた。俺は……俺がやるべきことをする。」
再び力を込め、体は矢矧に向かって動き出す。
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「ふふ、やっと来たか。」
菅田君の覚悟が感じられる。少し前までは、どこか迷いがあったように思えるけれど、今はその迷いを捨てたようだ。それを見て、私は少しだけ微笑んでしまう。彼の強さを認める瞬間だ。
「でも、私はまだ負けない。」
菅田君が力を込めて攻撃を仕掛けてきたのを感じる。やはり、彼は私を倒すために全力で来る。だが、私の準備も整っている。精神攻撃で心を揺さぶりつつ、高速発射体による飽和攻撃。それが、私の得意な戦術だ。
「西君も、とうとう覚悟を決めたようだし。」
そして、あの西君の様子を見て、私は冷静に判断する。彼がどう変わっていったとしても、最終的には私が勝つことを確信している。西君の未練や菅田君の反応を使って、私のペースに持ち込む。ただし、二人とも簡単には屈しないだろう。それが分かっているからこそ、私は慎重に戦う。
「でも、これが終われば。」
私は深く息を吸い、次の一手を考える。どんなに強くても、最終的には私が主導権を握る。私の計画通りに進めば、この戦いを終わらせることができる。
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「西、ようやくなんだね……」
彼の姿に変化が見られる。あんなにも迷っていた西が、今は少しずつその心の奥底から湧き上がるものを押し込めている。私はそれを感じて、少しだけ安堵の息を漏らす。
「でも、遅すぎるよ。」
西が振り切れなかった過去を、私はもう背負えない。彼が迷っている間に、私は前に進んだ。前に進むことで、もう戻れないこともわかっていた。それがどんなに辛くても。
「でも、少しだけ気になる。」
彼の変わりようが、どこか微妙に私を引き寄せる。あの頃の彼はもういないことを、私はよく知っている。だが、それでも今、少しだけ心の中で彼に手を差し伸べたくなる自分がいる。
「いや、そんなことはない。」
私はその気持ちを振り払うように、冷静に前を見据える。西のことをもう気にしている場合じゃない。彼と一緒に過ごした時間が過去になった今、私は、私達はただこの戦いを終わらせるべきだ。それが、私にとって最良の選択。
「今までの分、ありがとう。」
私は再び集中し、真っ直ぐ西を見る。どんなに心が揺れ動いても、私はもう戻らない。今、ここで終わらせる。それが、私の選んだ道だから。




