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夢みる二人  作者: ぴな丸
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終局に向かう道


「西、ようやく……。」


彼の姿に変化が見られる。あんなにも迷っていた西が、今は少しずつその心の奥底から湧き上がるものを押し込めている。私はそれを感じて、少しだけ安堵の息を漏らす。


「でも、遅すぎるよ。」


西が振り切れなかった過去を、私はもう背負えない。彼が迷っている間に、私は前に進んだ。前に進むことで、もう戻れないこともわかっていた。それがどんなに辛くても。


「でも、少しだけ気になる。」


彼の変わりようが、どこか微妙に私を引き寄せる。あの頃の彼はもういないことを、私はよく知っている。だが、それでも今、少しだけ心の中で彼に手を差し伸べたくなる自分がいる。


「いや、そんなことはない。」


私はその気持ちを振り払うように、冷静に前を見据える。西のことをもう気にしている場合じゃない。彼と一緒に過ごした時間が過去になった今、私はただこの戦いを終わらせるべきだ。それが、私にとって最良の選択。


「これで最後だね。」


私は再び集中し、冷徹な目で戦場を見渡す。どんなに心が揺れ動いても、私はもう戻れない。今、ここで終わらせる。それが、私の選んだ道だ。



─────



「今や俺は地面と運命共同体。」


この言葉が、頭の中でぐるぐると回る。確かに、地面に押しつけられた体はまるで運命に縛られているような感覚だ。それでも、そんな状況だからこそ見えるものもある。


「桜梨はこういう時……ポジティブになれって…」


ふと思い出す、いつも桜梨が笑って言った言葉。何か困ったことや嫌なことがあればそういって励ましてくれた。それが、今ここで響いているような気がする。あの時の彼女の笑顔は、どこか無理にでも前を向こうとしているものだった。そんな彼女に、今更囚われていたのはもう終わりにしないとなんだ。


「わかったぞ。」


俺は気づいた。この体勢、一度攻撃を弾けば反転攻勢は容易に可能だと。自分がこんなにも力を発揮できる瞬間が来るなんて、思いもしなかった。桜梨に対して、今ならどう戦えばいいのかも分かる。


「そっちも、詰めは甘いようだな。」


桜梨の攻撃に隙がある。甘い。優しすぎるんだ。だが、その優しさこそが、彼女の強さでもある。だからこそ、俺がその隙を突いて、勝つべきなんだ。


「仕方ないか…。」


優しいんだ。桜梨は。あれほどの強さを持ちながら、どこかで人を思いやる心を失っていない。だが、その優しさに甘えるわけにはいかない。今は、俺が進む番だ。


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