プロローグ
統一武道会の準決勝では、第三会議陣営と第二天照陣営の間で壮絶な異能力バトルが繰り広げられている。
第三会議陣営の2人は、強力な防御力と攻撃力を誇る「コマンドフォートレス」の西と、「新秩序からの使徒」である菅田。二人は、戦闘においては計算された戦略で、しっかりと連携を取っている。西の能力で場を制圧し、菅田がその隙間を突く形で戦うスタイル。
対する第二天照陣営は、「仁の司祭」である矢矧と、「緑に愛されし者」の桜梨。矢矧は精神的な強さを武器にし、周囲の状況を冷静に読み解く。一方、桜梨は自然の力を操る異能力を持ち、緑を使った攻撃を得意としているため、戦場の環境を有利に変える力を持っている。
準決勝に挑む4人の過去が、彼らの戦闘スタイルや心情に大きな影響を与えているのか。それぞれの背景が、ただの異能力バトル以上のドラマを生む。
登場人物
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"西"
自由奔放な性格から周囲との軋轢を経験した彼は、中学進学によって環境の変化とともに異能力にも変化が起き、順調な生活を手に入れた。半年前までは桜梨との交際で幸せを感じていたが、破局後には急激に人間不信に陥り、異能力の制御が効かなくなるという事態に直面。それでも、菅田との絆を深めることで今大会で快進撃を続けており、「自分を信じない者が他人を救う」というテーマを内包している。
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菅田
幼少期から「新秩序」の影響を受け続けた彼の人生は、異能力そのものが聖戦を遂行するために進化するという独自の道を歩んでいる。人に頼らない性格でありながら、唯一西との深い共鳴を得ることで、孤独でありながら支え合う特異な関係を築いている。攻撃的な能力が「秩序」というテーマに収束する一方で、彼自身がこの世界にどれだけ「適応」するかが鍵となっている。
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矢矧
リーダーシップとカリスマ性で周囲を引き付ける矢矧は、冷静な統率力で仲間を支える柱のような存在。元は西や桜梨とも交友があり、それぞれの性格や事情を把握しているため、戦場でも相手の心理を巧みに突いていくスタイルだ。戦闘だけでなく、彼女の言葉や行動が相手の心情を揺さぶる可能性も。
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"桜梨"
人とのつながりを大切にする心優しい彼女は、西との破局後も前向きに生きる道を選んだ。彼女の「緑に愛されし者」という能力は、彼女の人柄そのものを象徴しており、戦場では「癒し」と「攻撃」の両面を持つバランスの取れた戦い方を見せる。西との再会が戦闘にどのような影響を与えるか。