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狐に恋した僕  作者: 玉ねぎちゃん
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出会い

これは俺が彼女に出会った時の話。

俺の高校生活を、人生を変えてくれた彼女。

あの日初めて、守るべきものを見つけた。

そして、愛すべき人を。


[タッタッタッタッタ]

自分の足音が森に響き、俺の心拍数を上げる。

少しずつ、暗くなる空は俺をさらに焦らせる。

「はぁ、こんなことになるんなら、肝試しなんかこなきゃ良かったなぁ」

俺は中学時代の友人の春樹と肝試しに暗い森に来ていた。しばらく歩いていたら、いつのまにか春樹が居なくなっていた。

「春樹のやつ俺がビビリなのを知って」

俺は少し体を震わせながら歩いて行った。


「またここか、さっきから同じようなところばかり来ている気がするな」

[サッサッサッ]

(?なんの音だ)

その音は俺の目の前にある古い小屋から聞こえていた

俺は怖がりながらも、好奇心が勝り、その中に入って行った。


中は外見よりも古くて、今にも潰れそうだった。

天井に穴が開いていて、そこから夏の夕日が差し込んでいた。

(なんだろう、何か気配を感じる)

俺は恐る恐る後ろを向いた。

するとそこには、一人の少女が青ざめた顔でこちらを見ていた、

「あぁ、命だけはお許しを」

この子は何を言ってるんだ?

俺はその時、少女に対して違和感を感じた。

(俺が何かすると思ったのか?あと何でこんな森の中で帽子をかぶってるんだ?)

不思議なことが沢山あった。

「落ち着いて。取り敢えず俺は何もしないから安心して大丈夫だよ」

するとその子は少し安心した様子で。

「あなたは誰?」

「俺は藤川高校の桐崎だけど、君はこんなとこで何をしてるの?」

「桐崎さんって言うんだ、よろしく。私はちょっと散歩に来てただけだよ。あと私は......由美」

「あ、そうなんだ」

(こんなところに小さい女の子が散歩に来るもんなのか?あと名前を言うのに時間がかかったのも気になるけど)

「取り敢えずよろしく由美」

少女はコクリと頷くと、俺に手を振ってどこかに行ってしまった。


「ところでお前何かに会ったりしなかったか?」

「会うわけないだろ、実際お化けなんていないし」

春樹は少し笑った。この笑いは俺を馬鹿にしてるんだろうな。

「じゃあまた明日」

「おう」

俺は軽く返事をして考え事をした。

「誰にも会っていないわけではないんだけどな」

俺はその時森で会った一人の少女のことを考えていた。正直あの子には聞きたいことが山ほどある。

ただ初対面でそんなことを聞くものではないと思って聞くのをやめた。もしかしたらあれはお化けなのかな?ってそんなわけないか。少し考えはしたが馬鹿馬鹿しくなってきた。

ただ、何故かは分からないが明日も少女に会いたいという感情があふれ出ていた。

「明日もいったら会えるのかな?」

その時初めて肝試しに行きたいと思った。ほんの少しだけ。

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