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双神の御子  作者: 南瓜遥樹
第二章 禁忌の銀姫編
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十八話 小さな活路

「誰だ貴様……」


 イルミナは死んだと思ったエリエルが生きていることに、何よりも邪魔した彼女に憤慨していた。

 凍てつくような視線がミーナに突き刺さる。


「あれが本当にユート……なの……?」


 ミーナはイルミナを見るや否やユートとは似ても似つかないような姿に目を剥く。


「一様そうみたいなんだけど……今は違う人格?なのかな」


 エリエルは身体をふらふらとよろけさせながらもミーナの疑問に答える。


「……随分とやられたみたいじゃない?そんなになるのはいつ以来かしら?」


「いやぁ、面目無い。確か三年前……だったかなぁ〜」


 ははは、と他人事のように笑うエリエル。

 そんな彼女をジト目で見ながらミーナは呆れるように溜め息をつく。


「はぁ……貴女が居なくなったら人類やばいんだからね。本当にわかってるのかしら……」


「ごめんね〜」


「それで……なんでそんなになるまで一方的だったの?」


 ミーナは打開の糸口を探すため、エリエルに問う。


「今この範囲はユート……じゃなくてイルミナの領域。だから私の魔法は通じなかったんだ」


「成る程ね……それなら大胸予想通り……」


「え?」


「ならば……まだユートを助けられる余地はありそうね」


 ミーナは腰に携えていた真っ白な杖のような物を取り出す。

 長さは十五センチ弱で片手で収まるものだ。


 ミーナはそれをイルミナ目掛けて突き出した。


「ん?」


 ミーナの行動を怪訝そうにイルミナは見つめる。

 この領域でイルミナ以外の者の魔法は発動しない。

 それを知らないことはないだろう。


「……と思っているでしょうね」


 ミーナはクスリと笑う。

 まさかここまで思い通りに行くとは……

 ミーナは静かに言葉を紡いで行く。


「では……始めましょうか。⦅虚無の波動⦆」


 刹那、ミーナの周りからブォーンという音を立てて波紋が生まれて行く。


「なんだこれは……?」


 イルミナは戸惑いと共に違和感を察知する。

 掌を開閉させ、その異変に気付き、ここで始めてイルミナは焦りの表情を浮かべた。


「どういうことだ……⦅創世(ワールドクリエイト)⦆が塗り替えられた……?」


「正確には一時的に貴女の魔法を無力化したんだけどね」


 ミーナの虚無の波動はあらゆる魔法の発動を無力化することができる。

 これによりイルミナの創世の効果を一時的に停めたのだ。


「だが解せぬ……何故⦅創世(ワールドクリエイト)⦆が働いているにも関わらず魔法を発動できた……?」


「これは魔法ではないからよ」


「何?」


「貴女が私たちに禁じ得た事は魔法の使用不可、でしょ?だけどそれ以外の手段……例えばこの魔道具"天使の聖杖"の効果まではケア仕切れなかった。でしょ?」


「……」


 虚無の波動はミーナの魔法では無く、魔道具、"天使の聖杖"が持つ能力である。

 故にイルミナの魔法、創世の効果外だった為に虚無の波動は発動できたというわけだ。


「だがまた塗り替えればいい事……」


 イルミナは再び創世の発動をしようとする。


「いえ……チェックよ」


 だがミーナは焦る事なくイルミナにそう言い放つ。


 次の瞬間、イルミナは背後に気配がある事に気づく。

 あまりに小さな気配故にイルミナは直前まで気づけなかった。


 イルミナがその瞳孔で二つの影を視認した時、それが最後となる。


「闇魔法……⦅闇夜の誘い⦆!」


 銀色の髪を持つ少女ーーーレイラの魔法がイルミナへと直撃する。


「今!行って……ミロク!」


「うん!」


 レイラに声をかけられたミロクはそのままイルミナのところまで急接近して行く。

 イルミナの周囲に発せられた闇の靄のような場所に飛び込んで行ったミロクは、程なくして姿が見えなくなった。


 そして、魔法を受けたイルミナはプツリと糸が切れた様に地面に横たわった。


「あとは……お願い……」


 魔法なんて使って来なかったレイラにとってこの魔法は消費が激しいらしく、息を荒げながらその場にへたり込む。

 そしてミロクに希望を託すようにしてレイラは視界をブラックアウトさせた。


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